2024/04/24 更新

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オオシマ シンスケ
大島 伸介
OHSHIMA Shinsuke
所属
教育研究院 医歯学系 医学系列 助教
医歯学総合研究科 生体機能調節医学専攻 感覚統合医学 助教
職名
助教
外部リンク

学位

  • 博士(医学) ( 2010年3月   新潟大学 )

研究分野

  • ライフサイエンス / 耳鼻咽喉科学  / 耳科学、めまい平衡、聴覚中枢

経歴

  • 新潟大学   医歯学総合研究科 生体機能調節医学専攻 感覚統合医学   助教

    2017年7月 - 現在

  • 新潟大学   医歯学総合病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科   助教

    2017年1月 - 2017年6月

  • 新潟大学   医歯学総合病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科   特任助教

    2016年2月 - 2016年12月

 

共同研究・競争的資金等の研究

  • 3D音響式平衡感覚代行システムによる難治性慢性めまい治療の新戦略の確立

    研究課題/領域番号:20H04548

    2020年4月 - 2025年3月

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:基盤研究(B)

    提供機関:日本学術振興会

    和田森 直, 堀井 新, 野々村 頼子, 大島 伸介

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    配分額:17680000円 ( 直接経費:13600000円 、 間接経費:4080000円 )

    めまいの最大の国際学会であるBarany学会において、前庭症状が慢性に経過する機能性疾患は持続性知覚性姿勢誘発めまい(Persistent Postural Perceptual Dizziness, PPPD)と定義された。有効な治療が複数存在するPPPDは我が国の「めまい症」に包括されることから、「めまい症」の治療への道が開けた。PPPDの有効な治療の一つの前庭リハビリテーションは、前庭代償の促進と体性感覚入力や別の感覚による脳の可塑性を利用した平衡維持を増進する。この本来伝達すべき平衡情報の代わりに別の感覚で置き換えることは感覚代行と呼ばれる。
    3D音響式平衡感覚代行装置は、1)体の傾きの方向と程度を取得する検出系と、2)その平衡情報を中枢神経へ3D音響刺激として代行伝達する伝達系、3)平衡情報を伝達信号に変換および各系を制御する制御系の3つから構成される。3D音響式平衡感覚代行装置から体の傾きの方向と程度が3D音響刺激として入力され、傾いた体を正中に戻す3D音響式平衡感覚代行訓練を想定して、健常者を対象に体平衡機能を客観的に評価する検査方法である重心動揺検査、ラバー負荷検査を行った。検査者、被験者からの意見を踏まえて、3D音響式平衡感覚代行装置などに改良を施した。
    重心動揺検査、ラバー負荷検査に用いられる重心動揺計は、二等辺三角形平板の頂点における垂直荷重から平板の作用中心点を求めるため、厳密には立位姿勢での作用中心点を検出しているとは言い難い、より厳密な作用中心点を求める方法として、足底圧分布から足底圧中心を求める手法がある。そこで、微小電気機械システム(Micro Electro Mechanical Systems; MEMS)技術を応用した小型かつ高精度な圧力センサに中敷きの中空部分を模したシリコーン素材の覆いを被せた足底圧分布測定装置を試作した。

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  • PPPDに対する聴覚伝導路を用いた感覚代行トレーニングの有用性の検討

    研究課題/領域番号:20K09751

    2020年4月 - 2024年3月

    制度名:科学研究費助成事業 基盤研究(C)

    研究種目:基盤研究(C)

    提供機関:日本学術振興会

    大島 伸介, 堀井 新, 和田森 直, 野々村 頼子

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    配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )

    本研究の目的は、前庭覚、視覚、体性感覚に加えて聴覚刺激を用いた感覚代行を第4の平衡情報として入力することにより、視覚入力、体性感覚入力の重みづけ、過剰反応をリセットし、PPPDの病態に即した新たな治療法を構築することである。
    感覚代行とは感覚情報を本来とは別の感覚系で中枢へ伝達することで、平衡情報の感覚代行では、腰部の振動刺激、舌の電気刺激や下顎の振動刺激を用いた研究がすでに報告されている。われわれは共同研究者である長岡技術科学大学工学部の和田森らとともに、聴覚刺激を用いてセンサーをヘッドホンに組み込んだデバイスの開発を行っている。まず新規平衡センサー(V-box)を開発した。V-boxは9軸のモーションセンサーを搭載し、ヘッドホンに固定することで頭部の角速度を測定する。V-boxで得られたデータはタブレットへ転送して平衡情報を音刺激に変換し、ヘッドホンから音刺激として出力する。前に傾くほど低音、後ろは高音、左右に傾くほどその方向からの音量が大きくなる。V-boxの感知角度に閾値を設定し、閾値以下の頭部偏位が少ないと無音、閾値以上に偏位するとヘッドホンから傾きに応じて音が出るように設定した。
    この感覚代行デバイスを用いて、感覚代行の有無による視覚依存性、体性感覚依存性の変化を検討した。対象はめまい症状のない健常者6名、重心動揺計に乗りながらヘッドホンの音に応じて頭部偏位を戻して無音領域を保つように平衡維持させた。感覚代行の無音領域を3°, 1.5°に設定し、それぞれの重心動揺検査で視覚依存性を表す速度ロンベルグ率、体性感覚依存性を表す閉眼ラバー比を比較検討した。速度ロンベルグ率、閉眼ラバー比ともに3°、1.5°の間に有意差を認めなかったが、1.5°、つまり無音領域を狭くして聴覚刺激がより多くなると、ともに1.0に近づき、視覚依存性、体性感覚依存性が減少する傾向にあった。

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  • フラビン蛋白蛍光イメージングを用いたマウス大脳皮質前庭領野同定とその可塑性の解析

    研究課題/領域番号:17K11319

    2017年4月 - 2021年3月

    制度名:科学研究費助成事業 基盤研究(C)

    研究種目:基盤研究(C)

    提供機関:日本学術振興会

    大島 伸介

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    配分額:4810000円 ( 直接経費:3700000円 、 間接経費:1110000円 )

    前庭系においてはヒトやサルでは島後方のPIVC(Parieto Insular Vestibular Cortex)が前庭領野にあたるが、マウスなどの小型動物では同定されていない。PIVCの機能を解明するために、フラビン蛋白蛍光イメージングを用いてマウスの前庭領野を同定することが本研究の目的である。
    まず、マウスに対して適切な前庭刺激を探ることから開始した。5-8週のC57BL/6マウスを用いて、カロリック冷、温刺激によるそれぞれ前庭機能低下、亢進刺激を与えたが、平衡障害を示す眼振所見の再現性は高くなかった。
    次いで、経外耳道的に鼓室内に電気刺激を与えるガルバニック刺激を試みた。導電気刺激装置からアイソレーターを介してbiphasic刺激を出力し、針電極針を前庭窓へ留置して刺激する方法である。他の動物種で実績ある刺激法だがマウスに行った報告はない。体性感覚刺激を避けるために電極先端以外の部分は絶縁し、前庭層より浅い部分の組織を可及的に除去する術式に変更したところ、刺激周波数に応じて大脳の反応領域が変化する所見を得た。すなわち、低周波数刺激ではPIVCと思われる前庭感覚野、より高周波刺激では聴覚野が反応する所見が得られ、再現性を確認中である。
    さらに遺伝子改変マウスの導入を開始した。GCaMP6は、GFPを用いた蛍光カルシウムプローブタンパク質GCaMPの改変体である。本マウスはThy1プロモーター下でGCaMP6を発現するコンストラクトがトランスジーンされており、In vivoにおける神経活動の可視化が可能であると考える。GCaMP6ではフラビン蛋白蛍光の数倍の強度でイメージングが可能と報告されており、PIVCの同定に極めて有用であると期待している。

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  • フラビン蛋白蛍光イメージングによる両耳分離補聴の検討

    研究課題/領域番号:25861536

    2013年4月 - 2017年3月

    制度名:科学研究費助成事業 若手研究(B)

    研究種目:若手研究(B)

    提供機関:日本学術振興会

    大島 伸介

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    配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )

    「音はきこえるが言葉はわからない」という感音難聴者では、従来の補聴器治療に限界を感じる。語音明瞭度を改善させる両耳分離補聴方式や、図形と音、すなわち視覚と聴覚を関連付けた新しい難聴リハビリ方式の可能性に注目し、フラビン蛋白蛍光イメージングを用いてマウス大脳聴覚野の反応を観察した。両耳分離補聴のデータ採取は技術的に困難であった。次に、視覚と聴覚刺激を関連付けてマウスを飼育後、関連付けられた図形の視覚刺激のみを行い、聴覚刺激なしで大脳聴覚野が反応することを発見した。難聴者に音を聞かせるだけでなく、聴覚以外の感覚刺激を利用した新たな聴覚リハビリについて、さらなる研究を続けている。

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