2025/10/07 更新

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マタノ ヨシヒロ
俣野 善博
MATANO Yoshihiro
所属
教育研究院 自然科学系 数理物質科学系列 教授
自然科学研究科 数理物質科学専攻 教授
理学部 理学科 教授
職名
教授
外部リンク

学位

  • 博士(理学) ( 1994年11月   京都大学 )

研究分野

  • ナノテク・材料 / 構造有機化学、物理有機化学

経歴(researchmap)

  • 新潟大学   理学部 理学科   教授

    2017年4月 - 現在

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  • 新潟大学   自然科学研究科 数理物質科学専攻   教授

    2013年4月 - 現在

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  • 新潟大学   理学部 化学科   教授

    2013年4月 - 2017年3月

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  • 京都大学   大学院工学研究科   准教授

    2002年4月 - 2013年3月

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  • 京都大学   大学院理学研究科   助手

    1995年4月 - 2002年3月

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  • 京都大学   理学部   助手

    1990年11月 - 1995年3月

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経歴

  • 新潟大学   理学部 理学科   教授

    2017年4月 - 現在

  • 新潟大学   自然科学研究科 数理物質科学専攻   教授

    2013年4月 - 現在

  • 新潟大学   自然科学研究科 数理物質科学専攻   教授

    2013年4月 - 現在

  • 新潟大学   有機物質化学   教授

    2013年4月 - 2017年3月

学歴

  • 京都大学   理学研究科   化学専攻

    - 1990年10月

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    国名: 日本国

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  • 京都大学   理学部   化学科

    - 1987年3月

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    国名: 日本国

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所属学協会

留学歴

  • 米国ワシントン大学(University of Washington)   文部省在外研究員長期

    1996年9月 - 1997年8月

 

論文

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書籍等出版物

  • Main Group Strategies towards Functional Organic Materials

    Yoshihiro Matano( 担当: 単著 ,  範囲: Phosphorus-based Porphyrins)

    Wiley  2018年3月  ( ISBN:9781119235972

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    総ページ数:560   担当ページ:265–294   記述言語:英語 著書種別:学術書

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  • Organic Redox Systems: Synthesis, Properties, and Applications

    Yoshihiro Matano( 担当: 単著 ,  範囲: Phospholes and Related Compounds: Syntheses, Redox Properties, and Applications to Organic Electronic Devices)

    Wiley  2015年12月  ( ISBN:9781118858745

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    総ページ数:616   担当ページ:477–502   記述言語:英語 著書種別:学術書

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  • Topics in Current Chemistry: Bismuth-Mediated Organic Reactions

    Yoshihiro Matano( 担当: 単著 ,  範囲: Pentavalent Organobismuth Reagents in Organic Synthesis: Alkylation, Alcohol Oxidation, and Cationic Photopolymerization)

    Springer  2012年1月  ( ISBN:9783642272387

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    総ページ数:278   担当ページ:19–44   記述言語:英語 著書種別:学術書

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  • Comprehensive Organometallic Chemistry III

    Yoshihiro Matano( 担当: 単著 ,  範囲: Antimony and Bismuth)

    Elsevier  2006年12月  ( ISBN:9780080445991

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    総ページ数:786   担当ページ:425–456   記述言語:英語 著書種別:学術書

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  • Main Group Metals in Organic Synthesis

    Yoshihiro Matano( 担当: 単著 ,  範囲: Antimony and Bismuth in Organic Synthesis)

    Wiley-VCH  2004年4月  ( ISBN:9783527305087

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    総ページ数:905   担当ページ:753–811   記述言語:英語 著書種別:学術書

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  • Organobismuth Chemistry

    Yoshihiro Matano, Tohru Ikegami( 担当: 共著)

    Elsevier  2001年2月 

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    総ページ数:636   担当ページ:21–245   記述言語:英語 著書種別:学術書

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  • Organobismuth Chemistry

    Yoshihiro Matano, Tohru Ikegami( 担当: 共著)

    Elsevier  2001年2月 

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    総ページ数:636   担当ページ:247–327   記述言語:英語 著書種別:学術書

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  • 芳香環C–H結合直接アミノ化の最前線-異なるアプローチによる¬C–N結合の形成

    俣野善博( 担当: 単著 ,  範囲: pp. 70-71)

    化学同人  2018年9月 

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  • Chemical Science of π-Electron Systems

    Yoshihiro Matano( 担当: 単著 ,  範囲: Heteroatom-Modified Porphyrinoids)

    Springer  2015年11月  ( ISBN:9784431553571

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    総ページ数:777   担当ページ:223–241   記述言語:英語 著書種別:学術書

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  • 高次π空間の創発と機能開発

    俣野 善博( 担当: 単著 ,  範囲: ヘテロ元素を含む新奇ポルフィリンπ空間の創発と機能化)

    シーエムシー  2013年3月  ( ISBN:9784781307589

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    総ページ数:245   担当ページ:123–127   記述言語:日本語 著書種別:学術書

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  • 有機金属化学の最前線(現代化学増刊44)

    俣野 善博( 担当: 単著 ,  範囲: 14〜16族高周期典型元素化合物の機能)

    東京化学同人  2011年3月  ( ISBN:9784807913442

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    総ページ数:238   担当ページ:102–114   記述言語:日本語 著書種別:学術書

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  • 実験化学講座第5版

    今堀 博, 俣野 善博( 担当: 共著 ,  範囲: 人工光合成)

    丸善  2005年7月  ( ISBN:9784621073278

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    総ページ数:409   担当ページ:114–131   記述言語:日本語 著書種別:学術書

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  • 実験化学講座第5版

    俣野 善博( 担当: 単著 ,  範囲: 銀化合物による酸化)

    丸善  2004年7月  ( ISBN:9784621073162

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    総ページ数:462   担当ページ:120–127   記述言語:日本語 著書種別:学術書

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  • 実験化学講座第5版

    俣野 善博( 担当: 単著 ,  範囲: ビスマス化合物による酸化)

    丸善  2004年7月  ( ISBN:9784621073162

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    総ページ数:462   担当ページ:173–176   記述言語:日本語 著書種別:学術書

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  • 実験化学講座第5版

    俣野 善博( 担当: 単著 ,  範囲: タリウム化合物による酸化)

    丸善  2004年7月  ( ISBN:9784621073162

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    総ページ数:462   担当ページ:127–135   記述言語:日本語 著書種別:学術書

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  • 実験化学講座第5版

    俣野 善博( 担当: 単著 ,  範囲: 水銀化合物による酸化)

    丸善  2004年7月  ( ISBN:9784621073162

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    総ページ数:462   担当ページ:113–120   記述言語:日本語 著書種別:学術書

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  • 実験化学講座第5版

    俣野 善博( 担当: 単著 ,  範囲: 鉛化合物による酸化)

    丸善  2004年7月  ( ISBN:9784621073162

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    総ページ数:462   担当ページ:103–113   記述言語:日本語 著書種別:学術書

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  • 実験化学講座第5版

    俣野 善博( 担当: 単著 ,  範囲: ケトン:アシル化、カルボニル化による合成)

    丸善  2003年11月  ( ISBN:4621073141

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    担当ページ:244–294   記述言語:日本語 著書種別:学術書

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  • 有機金属反応剤ハンドブック

    俣野 善博( 担当: 単著 ,  範囲: ビスマス)

    化学同人  2003年6月  ( ISBN:9784759809367

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    総ページ数:272   担当ページ:246–250   記述言語:日本語 著書種別:学術書

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  • 季刊化学総説No. 34「有機超原子価化合物」

    俣野善博, 鈴木仁美( 担当: 共著)

    学会出版センター  1998年4月  ( ISBN:9784762218804

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    総ページ数:272   担当ページ:149–165   記述言語:日本語 著書種別:学術書

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  • Chemistry of Arsenic, Antimony and Bismuth

    Hitomi Suzuki, Yoshihiro Matano( 担当: 共著)

    Blackie Academic and Professional  1998年 

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    担当ページ:283–343   記述言語:英語 著書種別:学術書

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MISC

  • Bismuth in organic transformations

    H Suzuki, T Ikegami, Y Matano

    SYNTHESIS-STUTTGART   ( 3 )   249 - 267   1997年3月

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    記述言語:英語   掲載種別:書評論文,書評,文献紹介等  

    DOI: 10.1055/s-1997-1194

    Web of Science

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  • ジアザポルフィリン二量体の磁気特性

    丸山裕久, 大桃理志, 川俣昌弘, 古川貢, 俣野善博

    電子スピンサイエンス学会年会講演要旨集   55th   2016年

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  • ジアザポルフィリン誘導体の合成と光化学

    俣野 善博

    光化学 : 光化学協会誌   46 ( 1 )   29 - 36   2015年4月

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:光化学協会  

    CiNii Article

    CiNii Books

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  • アセチレンの特性を活かしたπ共役ホスホール多量体の合成と機能化

    俣野 善博

    旭硝子財団助成研究成果報告   1 - 5   2011年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:旭硝子財団  

    CiNii Article

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  • モノホスファポルフィリンの合成、構造および反応性

    中嶋 誠, 中渕 敬士, 俣野 善博, 梅山 有和, 今堀 博

    基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)   37 ( 0 )   61 - 61   2007年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:The Society of Physical Organic Chemistry, Japan  

    ホスファトリピランとピロール誘導体との[3+1]型の環化縮合反応、および引き続くリン上の脱硫反応によりポルフィリノーゲンを得た。これを酸化することで、ポルフィリンの窒素原子一つをリン原子で置換した構造をもつモノホスファポルフィリンを合成した。また、酸化反応に引き続き、系中に[Rh(CO)<SUB>2</SUB>Cl]<SUB>2</SUB>を添加することで、ロジウム(III)-ポルフィリン錯体を得ることに成功した。さらにモノホスファポルフィリンは溶液中で酸化され、π共役系が拡張された拡張モノホスファポルフィリンへと変換されることが明らかとなった。講演では、モノホスファポルフィリンの構造や、芳香族性、光物性、電気化学的特性についても報告する。

    DOI: 10.11494/kisoyuki.37.0.61.0

    CiNii Article

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  • ホスファポルフィリンの合成と物性

    中渕 敬士, 中嶋 誠, 宮島 徹, 俣野 善博, 梅山 有和, 今堀 博

    基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)   18 ( 0 )   17 - 17   2006年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:The Society of Physical Organic Chemistry, Japan  

    2,5位に官能基を持つホスホール誘導体をピロールとの脱水縮合反応によりホスファトリピランへと変換したのち、 [3+1]型環化脱水縮合反応と引き続く酸化反応を行うことで、ポルフィリンのピロール骨格をホスホール骨格で置換した構造を持つホスファポルフィリンを合成することに初めて成功した。講演では、合成の詳細とホスファポルフィリンの芳香族性、光物性、電気化学的特性などの諸物性について報告する。

    DOI: 10.11494/kisoyuki.18.0.17.0

    CiNii Article

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  • 有機太陽電池の分子設計 (環境技術特集 有機太陽電池の変換効率の高度化と固体化技術) -- (色素増感太陽電池の固体化技術)

    今堀 博, 俣野 善博, 森 幸恵

    マテリアルステージ   2 ( 9 )   43 - 48   2002年12月

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:技術情報協会  

    CiNii Article

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講演・口頭発表等

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共同研究・競争的資金等の研究

  • 三重項融合における量子スピン統計極限の破れ

    研究課題/領域番号:23K17901

    2023年6月 - 2026年3月

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:挑戦的研究(萌芽)

    提供機関:日本学術振興会

    生駒 忠昭, 俣野 善博, 大鳥 範和

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    配分額:6370000円 ( 直接経費:4900000円 、 間接経費:1470000円 )

    三重項融合の収率のボトルネックとなっている三重項-三重項対のダイナミクスを実験と理論の両面から研究した。
    実験的研究:流動溶媒中で三重項融合を調べる目的で、三重項増感剤(白金ポルフィリン錯体(PtP))と発光体(ジフェニルアントラセン(An))を溶かしたエーテル溶液について実験した。ナノパルスレーザーを用いてPtPを選択励起したときに観測される1An*蛍光強度の時刻から、励起一重項An(1An*)収量の変化を実時間観測した。観測された1An*収量の時間変化を速度論的に解析し、量子収率を見積もった。また、融合量子収率と分子拡散運動の関係を明らかにするため、粘度の著しく異なるエーテル溶媒を用いて、三重項増感による三重項融合実験を行った。また、金属ポルフィリン(MP)にアントラセン二分子が結合した三元系分子(MP-An2)を合成した。MP-An2についても同様な測定を行った。
    理論的研究:モンテカルロ法に基づいた分子回転拡散のシミュレーションを行った。有限温度における混合スピン状態の波動方程式(密度行列(ρ)のリュービル運動方程式)に、変数とするスピンハミルトニアンを組み入れ、活性錯合体のスピン状態のダイナミクスを計算した。本手法を用いて、1An*蛍光の磁場効果のシミュレーションを行った。また、励起子のマルチトラッビングモデルに基づいた励起子拡散のシミュレーションも行った。これは、無定形固体における三重項融合を念頭にした理論的研究である。

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  • 含窒素ポルフィリンの基礎学理の構築および機能性色素としての展開

    研究課題/領域番号:22H02061

    2022年4月 - 2026年3月

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:基盤研究(B)

    提供機関:日本学術振興会

    俣野 善博

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    配分額:17160000円 ( 直接経費:13200000円 、 間接経費:3960000円 )

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  • 含窒素ポルフィリンの基礎学理の構築および機能性色素としての展開

    研究課題/領域番号:23K23329

    2022年4月 - 2026年3月

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:基盤研究(B)

    提供機関:日本学術振興会

    俣野 善博

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    配分額:17160000円 ( 直接経費:13200000円 、 間接経費:3960000円 )

    2023年度は、meso位の窒素上に置換基をもつ5,10,15,20-テトラアリール-5,15-ジアザポルフィリン(TADAP)および5,10,20-トリアリール-5,15-ジアザポルフィリン(TriADAP)を題材として、その合成および構造―物性相関の解明に取り組んだ。TADAPについては、前年度に亜鉛錯体の脱メタル化によるフリーベース体の一般的合成法を確立したので、今年度は主にフリーベース体の錯形成と軸配位子の交換を利用してケイ素錯体とスズ錯体を合成した。いずれの錯体においても、DAP環の20π/19π/18π酸化還元反応は可逆的に進行し、20π電子系を持つ反芳香族性TADAPや19π電子系を持つTADAPラジカルが大気下で安定に存在することを確認した。また、得られた金属錯体のX線結晶構造解析、紫外/可視/近赤外吸収スペクトル測定、NMR測定、密度汎関数理論計算を行い、DAP環が高い平面性をもつことや、軸配位子が吸収特性や環電流効果に及ぼす影響は比較的小さいことなどを明らかにした。TriADAPについては、窒素上に置換基を持たないDAPのN-アリール化による合成法を確立し、ニッケル錯体と白金錯体の合成に成功したほか、19π電子系を持つDAP二量体における不対電子の非局在化の様式が、meso-窒素上の置換基の数に依存して大きく変化することを明らかにした。さらに、1個のピロール環の代わりにベンゼン環を構成要素として含む核置換5,10-ジアザポルフィリンの錯形成を行い、白金錯体や銅錯体の合成に成功した。得られた成果の一部については、8件の学会発表を行ったほか、2報の論文として報告した。

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  • アザポルフィリンラジカルをプラットフォームとする高密度共役系の構築

    研究課題/領域番号:21H05476

    2021年9月 - 2023年3月

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:学術変革領域研究(A)

    提供機関:日本学術振興会

    俣野 善博

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    配分額:7800000円 ( 直接経費:6000000円 、 間接経費:1800000円 )

    本研究の目的は、meso窒素上に置換基を持つ5-モノアザポルフィリン(RMAP)と5,15-ジアザポルフィリン(RDAP)のラジカルを合成する簡便な方法を確立し、得られた誘導体の構造―物性相関を明らかにした上で、高密度共役の実現へ向け、これらのラジカルをプラットフォームとして利用することである。2021年度は、主に以下の二つの課題に取り組んだ。
    課題1.RMAP金属錯体の合成:アザテトラピリンの鋳型環化法を用いて、カチオン性RMAP亜鉛錯体を合成することに成功した。得られた錯体について、NMR、紫外/可視/近赤外吸収スペクトル、CV測定を行い、芳香族性、光物性、電気化学特性を調べ、対応するカチオン性RDAP亜鉛錯体と比較した結果、分子の対称性と電荷の影響がアザポルフィリン環の環電流効果や酸化還元特性に顕著に現れることが明らかとなった。また、鋳型環化を経由しないRMAPの新規合成法を開発することに成功した。
    課題2.新規RDAPラジカルの合成:共有結合や配位結合を介してRDAPラジカルを連結することを目的として、RDAPを含むフェニレン架橋型ポルフィリン三量体の合成を行った。具体的には、ポルフィリンを置換基とするジブロモジピリンの鋳型環化反応を利用して目的物を合成し、NMR、ESR、紫外/可視/近赤外吸収スペクトル、CV測定を用いて得られた三量体の物性を調べ、参照系となる単量体の物性と比較した。その結果、両側のポルフィリン環が中心に位置するRDAPラジカルの磁気特性や光物性に与える影響は極めて小さいことが明らかとなった。
    得られた研究成果について、国際会議での依頼講演を含む5つの学会発表を行ったほか、2報の論文として報告した。

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  • 近赤外光に応答する新規アザポルフィリン増感剤の開発と高機能化

    研究課題/領域番号:18H01961

    2018年4月 - 2022年3月

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:基盤研究(B)

    提供機関:日本学術振興会

    俣野 善博

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    配分額:17290000円 ( 直接経費:13300000円 、 間接経費:3990000円 )

    外周部が窒素で部分的に置換されたポルフィリン(アザポルフィリン)を題材として複数の課題に取り組んだ。まず、置換様式が異なる数種類のアザポルフィリンの簡便な合成法を確立した。次いで、一連の化合物の芳香族性、光学特性、電気化学特性、一重項酸素発生効率などを調べ、アザポルフィリンの構造、物性、および増感剤としての特徴を明らかにした。また、近赤外光に応答する親水性ジアザポルフィリンの医療用色素としての潜在力を明らかにした。

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  • 複素環縮環型および環拡大型ジアザポルフィリンを母核とするn型半導体の開発

    研究課題/領域番号:15K13762

    2015年4月 - 2018年3月

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:挑戦的萌芽研究

    提供機関:日本学術振興会

    俣野 善博, 今堀 博, 中野 晴之

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    配分額:4030000円 ( 直接経費:3100000円 、 間接経費:930000円 )

    電子受容性と光捕集能を併せ持つジアザポルフィリンの化学性を明らかにすることを目的として、電子供与性置換基をもつ新規ジアザポルフィリン誘導体の合成、構造-物性相関の解明、および有機太陽電池への応用に取り組んだ。その結果、外周部にアミノ基を有するドナー-アクセプター型ジアザポルフィリンが、π系の高い電子受容性に由来する分子内電荷移動特性を発現し、光機能性材料として高い潜在力を持つことを明らかにした。

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  • 近赤外光感応性をもつジアザポルフィリンーポルフィリン連結分子の創製と利用

    研究課題/領域番号:15H00931

    2015年4月 - 2017年3月

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:新学術領域研究(研究領域提案型)

    提供機関:日本学術振興会

    俣野 善博

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    配分額:6240000円 ( 直接経費:4800000円 、 間接経費:1440000円 )

    本研究の目的は、ジアザポルフィリン-ポルフィリン連結分子およびその関連化合物の合成法を確立し、異なるπ系の連結が生み出す物性面での相乗効果を明らかにした上で、近赤外光感応性を持つ医療用増感剤として利用するための道標をつけることである。本年度は、主に次の三つの課題に取り組んだ。(i)非対称置換されたπ共役ジアザポルフィリン誘導体の合成、(ii) (i)で得られたジアザポルフィリン誘導体の光物性、電気化学特性、および一重項酸素発生効率の解明、(iii) ジアザポルフィリン誘導体を用いた色素増感太陽電池の作製とデバイス特性の評価。まず、ジアザポルフィリン環β位の位置選択的な臭素化により得られるブロモ体を共通の出発原料として、鈴木―宮浦カップリング反応により、電子供与性置換基とカルボキシフェニル基で非対称に置換されたDonor-Acceptor型ジアザポルフィリンを系統的に合成した。また、得られた化合物のNMRスペクトル・吸収スペクトル・酸化還元電位・蛍光量子収率の測定およびDFT計算により、π系全体の構造、吸収特性、発光特性、および電気化学特性を調べた。その結果、ジアザポルフィリン環へのアミノ基の導入により大きな電荷移動特性が発現し、吸収帯の大幅な長波長化を達成できることが明らかとなった。次いで、高い光捕集能をもつジアザポルフィリン誘導体を増感剤とする色素増感太陽電池を作製し、デバイス特性を評価した。その結果、複数の電子供与性置換基の導入により光電変換効率が大幅に向上することが明らかとなった。さらに、医療用色素への展開を念頭に置き、一部の化合物について一重項酸素発生効率を評価し、水溶性を持つジアザポルフィリン誘導体を新たに合成した。

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  • 高い近赤外光感応性をもつ水溶性ジアザポルフィリン増感剤の開発

    研究課題/領域番号:25109524

    2013年4月 - 2016年3月

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:新学術領域研究(研究領域提案型)

    提供機関:日本学術振興会

    俣野 善博

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    配分額:7280000円 ( 直接経費:5600000円 、 間接経費:1680000円 )

    本年度は、近赤外光に対して高い感応性を持つジアザポルフィリン増感剤の開発を見据えて、期間内に主に次の三つの課題に取り組んだ。(i) 外周部にπ共役可能な置換基を持つジアザポルフィリンの合成、(ii) 水溶性ジアザポルフィリンの合成、(iii)課題(i)で合成した色素の光物性および電気化学特性に対する外周部置換基効果の解明。まず、β-ブロモジアザポルフィリンニッケル錯体および亜鉛錯体のクロスカップリング反応を利用して、ジアザポルフィリンの外周部にπ共役が可能な置換基を導入した。次いで、得られた化合物のX線結晶構造解析、NMRスペクトル・吸収スペクトル・発光スペクトル・酸化還元電位の測定により、π系の構造、吸収・発光特性、および、電気化学特性を調べた。その結果、分子内電荷移動特性の発現により吸収・発光帯の大幅な長波長化が達成できることや、π共役の拡張により電子スピンの非局在化が効率よく起こることが明らかとなった。一部の誘導体については、電荷移動型の吸収帯が800nmを超える近赤外領域に達することを見出した。さらに、外周部の置換基としてカルボキシフェニル基を持つジアザポルフィリン誘導体を合成し、その水溶性を調べた。その結果、弱塩基性で水溶性を示すことを確認した。得られた知見は、可視光のみならず近赤外光に対して高い感応性を持つ医療用増感剤や太陽電池用増感剤を開発するうえで、ジアザポルフィリンが有力な母核となることを示している。

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  • ホスホールを含む元素相乗型π共役分子の構築と有機デバイスへの応用

    研究課題/領域番号:25288020

    2013年4月 - 2016年3月

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:基盤研究(B)

    提供機関:日本学術振興会

    俣野 善博, 中野 晴之, 木村 佳文

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    配分額:18850000円 ( 直接経費:14500000円 、 間接経費:4350000円 )

    ホスホールとチオフェンを含む新しいπ共役分子を効率よく合成する方法を確立し、さまざまなスペクトル解析やX線結晶構造解析を利用して得られた誘導体の構造―物性相関を明らかにした。さらに、可視光を吸収する能力が高い誘導体を有機太陽電池の材料として活用した。また、高い蛍光特性を示す分子を開発した。得られた結果は、新たに構築されたホスホール誘導体が有機材料として高い潜在力を保有することを示している。

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  • 核置換アザポルフィリンの創成と有機太陽電池への応用

    研究課題/領域番号:25620149

    2013年4月 - 2015年3月

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:挑戦的萌芽研究

    提供機関:日本学術振興会

    俣野 善博, 中野 晴之

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    配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )

    本課題では、有機太陽電池への応用を念頭に置き、可視~近赤外光を効率よく捕集する核置換アザポルフィリンの創成をめざした。まず、ポルフィリンのメソ位が窒素核で置換されたジアザポルフィリンの外周部にπ共役置換基を導入する手法を確立し、得られた誘導体の構造と光物性・電気化学特性との相関を調べた。その結果、電子供与性の置換基を導入することにより分子内電荷移動が生じ、π系全体の可視光捕集能が大幅に向上することが明らかとなった。さらに、ピロール環にπ共役置換基を持つアザジピリン-ホウ素錯体および参照系化合物を合成し、近赤外光の捕集能を高める上で窒素置換が有効な手法となることを明らかにした。

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  • 典型元素を含む新奇ポルフィリンπ空間の機能化と集積化

    研究課題/領域番号:23108708

    2011年4月 - 2013年3月

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:新学術領域研究(研究領域提案型)

    提供機関:日本学術振興会

    俣野 善博

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    配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )

    本年度では『典型元素の特性が最大限に発揮されるようなπ空間を創発し、その機能を利用する』ことを目的として、期間内に主に次の課題に取り組んだ。(i)メソ位に窒素を含むジアザポルフィリンの合成と、それらの構造・物性・配位挙動の解明。(ii)π系が高度に拡張されたジアザポルフィリン二量体の合成、(iii)ジアザポルフィリンの特性を活かした有機太陽電池の作製と性能評価。まず、アジ化ナトリウムとジブロモジピリンとの反応を利用して、β無置換ジアザポルフィリンフリーベースを20%程度の単離収率で合成する事に成功した。次いで、得られてフリーベースの錯形成により、各種金属錯体を構築し、その吸収特性、発光特性、および電子受容性・電子供与性を調べた。その結果、ジアザポルフィリンπ系の物性が、ポルフィリンの場合と同様、中心金属の種類に大きく依存することが明らかとなった。さらに、β無置換ジアザポルフィリン-ニッケル錯体のβ位を位置選択的に臭素化した後、パラジウム触媒を用いて反応させることにより、ジアザポルフィリン二量体を合成する事に成功した。各種スペクトル測定および理論計算の結果、この二量体は高い平面性を持ち、π系は大きく拡張されていることを見いだしている。また、一部の誘導体についてはその吸収帯が近赤外領域に達することから、色素増感太陽電池への利用も検討している。以上の結果は、アザポルフィリン誘導体の構造―物性相関を理解する上で重要な知見を与えるものである。

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  • ホスホールを基軸とする新奇π共役分子の構築と機能探索

    研究課題/領域番号:22350016

    2010年 - 2012年

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:基盤研究(B)

    提供機関:日本学術振興会

    俣野 善博

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    配分額:20020000円 ( 直接経費:15400000円 、 間接経費:4620000円 )

    ホスホールを含む新しいπ共役分子を効率よく合成する方法を確立し、さまざまなスペクトル解析やX線結晶構造解析を利用して得られた誘導体の構造-物性相関を明らかにした。さらに、電子を運ぶ能力や可視光を吸収する能力が高い誘導体を有機太陽電池の材料として活用した。得られた結果は、新たに構築されたホスホール誘導体が有機材料として高い潜在力を保有することを示している。

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  • 15族元素を含む新奇核置換ポルフィリンπ空間の創発と機能化

    研究課題/領域番号:21108511

    2009年 - 2010年

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:新学術領域研究(研究領域提案型)

    提供機関:日本学術振興会

    俣野 善博

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    配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )

    リンや硫黄などの典型元素とポルフィリンの融合により新奇なπ空間を構築し、基礎物性の解明および光・電子材料としての利用を目指して研究を進めてきたが、平成22年度は以下の課題に取り組んだ。(1)拡張π平面を持つ金属架橋ポルフィリン二量体の光物性と電気化学特性に対する金属架橋効果の解明、(2)湾曲したπ系を持つメソ置換カリックスフィリンの合成、および(3)ホスホールを含む核置換ポルフィリンの参照化合物(鎖状π系)の合成と物性評価。(1)メソ-ホスフィノポルフィリンと2価のパラジウム塩あるいは白金塩との反応により得られる金属架橋ポルフィリン二量体は、高いπ平面性を持ち、金属-π結合に由来する特異な吸収特性を示すが、架橋金属が二量体の光物性や電気化学特性に与える影響については、十分に解釈できていなかった。そこで、金属架橋ポルフィリン二量体および参照化合物の光ダイナミクス、酸化還元挙動、MCDスペクトルの測定を行い、架橋金属が諸物性に与える影響を明らかにした。(2)歪んだポルフィリン系π空間を集積化する新しい方法論を提案する目的で、メソ位にリン原子を組み込んだメソ置換カリックスフィリン(5-ホスファフロリン)を新たに設計し、ジチエニルホスフィンあるいはジフリルホスフィン誘導体とジピロメタンとの脱水縮合反応を利用して合成した。得られた化合物の一部に関してはX線結晶構造解析に成功し、リン架橋により環状π系が湾曲した構造をとり、リン上の非共有電子対は環外へ配向することを明らかにした。(3)ホスホールのα位にπ共役官能基を導入する効率的な合成法を確立し、ポルフィリンの参照系となる種々の鎖状π共役ホスホールを構築し、その構造-物性相関を明らかにした。

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  • 第三周期典型元素を含む核置換ポルフィリンの構造と物性に関する研究

    研究課題/領域番号:20038039

    2008年 - 2009年

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:特定領域研究

    提供機関:日本学術振興会

    中野 晴之, 俣野 善博

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    配分額:3200000円 ( 直接経費:3200000円 )

    本研究は、理論家と実験家が協力し、第三周期典型元素を含む核置換ポルフィリンの化学を分子理論という立場から体系化し、新規化学事象の解明を行うことを目的としている。本年度は、コアのリン原子がオキソ化されたポルフィリンおよびホスファポルフィリンから得られた金属錯体の芳香族性に関して実験・理論両面から検討を加え、参照化合物との比較から芳香族性・反芳香族性を定量的に評価した。
    1. コアのリン原子がオキソ化されたホスファポルフィリンの芳香族性については、P, S, N_2型18πホスファポルフィリンと過酸化水素との反応により得られる20πポルフィリン(イソフロリン)の芳香族性を、NMRで観測される環電流効果、および、密度汎関数により計算されるNICS値により評価した。その結果、P, S, N_2型18πホスファポルフィリンは高い芳香族性を有すること、一方、20πポルフィリンは予想に反して弱い反芳香族性を有することがわかった。弱い反芳香族性の原因には、大きく歪んだ、堅固なπ系が考えられる。
    2. ホスファポルフィリン金属錯体の芳香族性については、18πホスファポルフィリンの錯形成により得られる18πロジウムポルフィリンおよび20πパラジウムイソフロリンの芳香族性を、同様の手法により評価した。これらの錯体では金属中心の配位形態に合わせてπ平面が柔軟に歪むため、18πロジウムポルフィリンの芳香族性は対応するフリーベース体の芳香族性に比べてやや小さくなり、20πパラジウムイソフロリンは、20π系を持つにもかかわらず、弱い反芳香族性しか示さなかった。ただし、中心金属としてマグネシウムを導入すると20πポルフィリン錯体の反芳香族性が向上するという結果も得ており、錯体のパラメータ(π系の電子状態、中心金属の酸化数や配位数など)が核置換ポルフィリンの芳香族性に与える影響を系統的に解明するための基礎的知見を得た。

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  • ポルフィリン類縁体のハイブリッド化による多機能型環状配位子の開発

    研究課題/領域番号:20036028

    2008年 - 2009年

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:特定領域研究

    提供機関:日本学術振興会

    俣野 善博

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    配分額:3800000円 ( 直接経費:3800000円 )

    ポルフィリン、カリックスピロール、およびそれらが融合した化合物であるカリックスフィリンにピロール以外の複素環を組み込むことで、多彩な配位形態の発現が可能な新しいタイプの大環状多座配位子を構築することができる。我々は、R,X,N_2型・S,X,N_2型の大環状配位子(X=N,S)の開発と利用をめざして、ホスホールやチオフェンを含むハイブリッドポルフィリン類縁体の化学に関する研究を行っている。今年度は、まず、5,10-ポルフォジメテン型R,S,N_2カリックスフィリンに焦点を絞り、その配位特性の詳細を明らかにした。具体的には、X線結晶構造解析・各種スペクトル測定により、R,S,N_2カリックスフィリンが中性のP,N二座配位子としてロジウム中心に配位すること、および、得られた錯体においてR,S,N_2カリックスフィリンがhemilabileな配位子として振る舞うことなどを見いだした。次いでホスホールと含窒素複素環からなる新しい鎖状P,N配位子の合成と錯形成について検討し、得られたπ共役化合物の構造-物性相関を明らかにした。具体的には、α-エチニルボスホールのHuisgen反応を利用したホスホール=トリアゾールπ共役分子の簡便かつ系統的な合成法を確立し、パラジウムや白金に対する錯形成能を調べた。その結果、パラジウム錯体において、ボスホール=トリアゾール分子はP,N二座配位子として振る舞い、配位によるπ系の大きな歪みや金属-配位子間のCT相互作用が吸収スペクトルのブロード化を引き起こすことを見いだした。

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  • ホスホール環を含むハイブリッドカリックスフィリン錯体の合成と利用

    研究課題/領域番号:19027030

    2007年

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:特定領域研究

    提供機関:日本学術振興会

    俣野 善博

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    配分額:2400000円 ( 直接経費:2400000円 )

    カリックスアレーンとポルフィリンが融合した化合物であるカリックスフィリンは、柔軟な骨格と酸化還元活性なπ共役平面を併せ持つ新しいタイプの大環状多座配位子である。しかしながら、カリックスフィリン金属錯体の触媒活性に関しては全く報告例がなかった。本研究では、ホスホール、ピロール、および他の複素環が組み込まれたさまざまなハイブリッドカリックスフィリン配位子を構築し、複数の典型元素が織りなす協同効果がうまく発現されるような反応性金属触媒を創製することを目標として研究を進めてきた。まず、ホスファトリピランとピロール、フラン、およびチオフェン誘導体との酸触媒縮合環化反応と引き続く酸化反応により、14πおよび16πP,N2,X型カリックスフィリンを合成し、X線結晶構造解析によりその構造を明らかにした。次いで、パラジウム、ロジウム、および金との錯形成反応を行い、得られた錯体の構造とπ系の電子状態を調べた。ここで、0価パラジウムと16πP,N2,Sハイブリッドとの組み合わせでは、金属と配位子の間で酸化還元が起こり、2価のパラジウム錯体(Pd-P, N2, X錯体)が生成するという興味深い知見を得た。さらに、パラジウム錯体とロジウム錯体を用いて、Heck反応とアセチレンのヒドロシリル化反応をそれぞれ検討し、これらの錯体が触媒として振る舞うことや、カリックスフィリン骨格を構成する複素環の組み合わせにより触媒活性ならびに反応の選択性が大きな影響を受けることを明らかにした。

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  • 高原子価ビスマスの酸化力を利用した高効率酸化反応および重合反応の開発

    研究課題/領域番号:17350018

    2005年 - 2007年

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:基盤研究(B)

    提供機関:日本学術振興会

    俣野 善博

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    配分額:16090000円 ( 直接経費:15100000円 、 間接経費:990000円 )

    本申請課題では、ビスマスの特徴が最大限に発揮された効率的な単位反応の開発をめざし、「高原子価有機ビスマス化合物を用いた高効率酸化反応および重合反応の開発」を課題として研究を進めてきた。三年間にわたり、特に『テトラアリールビスムトニウム塩を用いたアルコールの酸化』、『テトラアリールビスムトニウム塩を開始剤とする光カチオン重合』、および『光重合開始剤として利用するための新しい増感剤の開発』に重点をおき、さまざまな角度から検討を行った。最初の課題では、塩基共存下、ビスムトニウム酸化剤が一級および二級アルコールをそれぞれアルデヒドおよびケトンへ効率よく酸化することを見出した。また、ビスマス酸化剤の酸化効率が、ビスマス上のアリール基の立体効果および電子効果の影響を強く受けることを明らかにした。さらに、得られた知見に基づき、新しいビスマス酸化剤を数種類開発した。二番目の課題では、ピレニル基を有するビスムトニウム塩の光分解反応を詳しく調べたうえで、このビスムトニウム塩を開始剤とするオキシランおよびビニルエーテルの光カチオン重合反応系を確立した。重合反応は高圧水銀灯で短時間光照射を行うだけで完結し、対応するポリマーが得られる。ポリマーの収率と重合度は対アニォンの求核性に強く依存し、ヘキサフルオロアンチモナート塩を用いた場合に最も高い効率が得られた。また、当初の計画には入れていなかったが、ビスムトニウム塩を用いた光増感型重合開始剤を設計する過程で、新規増感剤である典型元素置換ポルフィリンの化学を展開し、その吸収特性や電気化学特性を明らかにした。

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  • 高原子価有機ビスマス-酸素錯体の創製と酸化反応への応用

    研究課題/領域番号:14540494

    2002年 - 2003年

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:基盤研究(C)

    提供機関:日本学術振興会

    俣野 善博

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    配分額:3500000円 ( 直接経費:3500000円 )

    周期表第15族第6周期に位置するビスマスは、低い電気陰性度および大きな軌道半径を有しており、高原子価ビスマスの高い酸化能やビスムトニオ基の高い脱離能を考慮した場合、高原子価有機ビスマス-酸素錯体は極めて有望な酸化剤および酸素原子添加試剤となりうる。本課題では様々な置換基を有するビスムタンオキシド、ビスムチン酸、およびビスムチン酸誘導体の合成法を確立し、その構造と物性を明らかにしたうえで、これらの高原子価有機ビスマス-酸素錯体を用いた有用な酸化反応体系の確立を目的として研究を行った。14年度は、申請者らが独自に開発した合成法を用いて様々なトリアリールビスムタンオキシドを合成し、アリール基の置換基の立体効果や電子効果が化合物の構造、熱的な安定性、および反応性にどのような影響を与えるのか明らかにした。その過程で、ビスムタンオキシドが置換基の種類により二量体、水和体、多量体など様々な形態で存在することを見出したほか、オキシドの熱分解の際に得られるジアリールビスムチン酸無水物の構造解析に初めて成功した。また、オルト位に置換基を導入することでビスムタンオキシドの酸化能が著しく向上することを見出した。15年度は、高原子価ビスマスの高い酸化能をより幅広く利用するためトリアリールビスマスジクロリド/DBUを用いる酸化反応系を新たに開発するとともに、その反応機構について詳細に検討し、反応速度に対する置換基の電子効果および立体効果を明らかにした。ここで得られた知見を基に新規高原子価有機ビスマス酸化剤を開発し、種々の第一級および第二級アルコールが、穏和な条件下で対応するカルボニル化合物へ効率よく酸化されることを確認した。これらの反応性は軽元素類縁体には見られないものであり、高原子価ビスマスの持つ高い潜在能力を合成化学の場で発揮することに成功した。

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  • 精密酸塩基触媒の創製と精密有機合成化学への活用

    研究課題/領域番号:13853003

    2001年 - 2005年

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:基盤研究(S)

    提供機関:日本学術振興会

    丸岡 啓二, 大井 貴史, 大本 清之, 俣野 善博

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    配分額:123890000円 ( 直接経費:95300000円 、 間接経費:28590000円 )

    本研究では、次世代の精密有機合成化学の強力な進展に向けて、精密酸塩基触媒の合理的、合目的な触媒設計を行ない、他の反応触媒では及びもつかないような反応性、選択性が獲得できるような精密合成反応プロセス(触媒的不斉合成も含む)の確立を目指した。まず、精密ルイス酸触媒の化学では、二点配位によるカルボニル基の二重活性化の概念を不斉合成にまで展開させた。すなわち、Ti-O-Tiユニットを有する光学活性二点配位型ビス-チタン触媒をデザインし、そのμ-オキソ構造が実際に二点配位を起こし高い反応性、選択性を示すことを見いだし、不斉アリル化反応、ニトロンやジアゾ酢酸エステルを用いる不斉1,3-双極子環状付加反応に応用することができた。一方、光学活性ビナフトール由来のスピロ型キラル相間移動触媒をデザイン、改良し、様々な不斉相間移動反応の開発に成功した。更に、キラル相間移動触媒の構造の単純化ならびに反応性・選択性の飛躍的向上を目指し、究極の有機分子触媒ともいえるモノビナフチルジアルキルアンモニウム塩のデザインに成功した。これにより、各種の光学活性人工アミノ酸の実用的不斉合成プロセスが可能になった。この不斉アルキル化法ではかさ高いアミノ酸の合成には不向きなため、かさ高いアミノ酸合成を目指して不斉ストレッカー反応を可能にする、最適のラセン型キラル相間移動触媒を新たに考案したこういった精密酸塩基触媒の化学に加え、半球型の機能性有機金属分子としてのトリス(2,6-ジフェニルベンジル)-シリル、ゲルミル、スズ化合物を効率よく合成し、それらの機能性評価や合成的な応用について詳細に検討した。

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  • ビスマスイリドおよびビスマスイミドの特異性を活かした新しい単位反応の開発と応用

    研究課題/領域番号:12640516

    2000年 - 2001年

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:基盤研究(C)

    提供機関:日本学術振興会

    俣野 善博

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    配分額:3500000円 ( 直接経費:3500000円 )

    本申請課題では、合成化学の場で高原子価有機ビスマス化合物の醸し出す特性を積極的に利用するために、ビスマスイリドおよびビスマスイミドの特異性を活かした反応の開発を目指して研究を展開してきた。期間内で達成した成果を以下に簡潔に紹介する。ア)安定型ビスマスイリドおよびビスマスイミドの新しい合成法を開発し、その特異な構造および反応性について明らかにした。具体的には、メタセシス反応を利用して窒素上にアシル基もしくはスルホニル基を有するビスマスイミドを合成した。また、イミドと電子欠乏型アセチレンの反応を利用して安定型ビスマスイリドを合成した。得られた化合物のX線結晶構造解析を行なった結果、ビスマス(V)-炭素および-窒素結合が、高度に分極した高い単結合性を有することが明かとなった。特に、イミドの構造については同族軽元素類縁体の構造との系統的な比較に初めて成功した。イ)ビスマスイリド、イミドを用いた新しい環化反応を開発した。具体的には、アルキニルビスムトニウム塩と求核剤との反応により発生するアルキリデン型ビスマスイリドを鍵中間体とするシクロペンテン環・ジヒドロフラン環の構築、安定型ビスマスイミドから合成されるイリドの熱分解・銅塩触媒反応を利用したオキサゾール環の構築に成功した。これらの反応の推進力は、トリアリールビスムトニオ基の高い脱離能であり、高原子価ビスマスの持つ特徴が顕著に現れている。ウ)ポリマー担持型ビスマス試剤への道を切り開くために、ビスマス置換基を有するスチレンモノマーの選択的合成法を開発し、ラジカル重合による可溶性含ビスマスポリスチレンの合成に成功した。エ)ビスマスイミドの合成を検討する過程で、イリドやイミドと等電子構造を持つビスマスオキシドの簡便な合成法を見出し、その基本的な反応性を明らかにした。現在この萌芽を実り多き成果へ導くために精力的に研究を展開している。

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  • ビスマス-窒素、酸素および硫黄二重結合を有する高原子価有機ビスマス化合物の化学

    研究課題/領域番号:11120224

    1999年

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:特定領域研究(A)

    提供機関:日本学術振興会

    俣野 善博

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    配分額:1000000円 ( 直接経費:1000000円 )

    1.本課題平成11年度においては、形式的なビスマス=窒素二重結合を有する高原子価有機ビスマス化合物、ビスマスイミド、およびその軽元素類縁体の化学を中心に検討を進めてきた。
    2.オルト位にメチル基もしくはメトキシ基を有するアリール基(ο-トリル基、ο-アニシル基)を用いてビスマス=窒素二重結合を速度論的に安定化することにより、様々なN-アシルおよびN-スルホニルトリアリールビスマスイミドを合成、単離した。また、同様の手法を用いて合成したN-スルホニルトリアリールアンチモンイミドが単量体として存在することを、X線結晶構造解析により初めて明らかにした。一連の15族元素由来のイミドの構造解析および理論計算の検討により、中心元素の周期が下がるに連れ、イミド結合の単結合性が増加し、ビスマス-窒素結合は極めて分極した単結合とみなせることが明かとなった。
    3.合成したN-アシルビスマスイミドの基本的な反応性を調べた結果、様々な基質との反応においてトリアリールビスムトニオ基が良好な脱離基として作用することを見いだした。これは15族元素の中でもビスマスに特徴的な振る舞いである。さらに、電子欠乏型アルキンであるアセチレンジカルボン酸ジエステルとの反応では、イミド窒素のマイケル付加、ビスムトニオ基の転位を経由してビスマスイリドが生成することを見いだした。本反応で得られたイリドは、高度に官能基化されたアルキリデン部位が負電荷を効率良く非局在化できるため、熱的に極めて安定化であり、本反応は安定型ビスマスイリドの新しい合成法と見なすことができる。

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  • ビスマス-窒素および酸素二重結合を有する高原子価有機ビスマス化合物の化学

    研究課題/領域番号:10133225

    1998年

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:特定領域研究(A)

    提供機関:日本学術振興会

    俣野 善博

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    配分額:1000000円 ( 直接経費:1000000円 )

    1. 本課題平成10年度においては、ビスマス=窒素二重結合を有する高原子価有機ビスマス化合物であるビスマスイミドの化学を中心に検討を進めてきた。
    2. オルト位にメチル基もしくはメトキシ基を有するアリール基(o-トリル基、o-アニシル基、メシチル基)がビスマス=窒素二重結合を速度論的に安定化することを見いだし、これを基にN-アシルおよびN-スルホニルトリアリールビスマスイミドを空気中でも安定に取り扱える化合物として合成、単離した。いくつかの化合物についてX線結晶構造解析を行った結果、ビスマス中心は歪んだ正四面体構造を取り、ビスマスー窒素の結合距離は既知のビスマスー窒素単結合の距離に近いことが明かとなった。また、N-アシル体ではカルボニル酸素が、N-スルホニル体ではスルホニル酸素がそれぞれビスマス中心の近傍に存在することがら、酸素原子のビスマス原子への分子内配位もこの結合の化学的安定化に大きく寄与していると思われる。N-アシル体は対応するN-スルホニル体に比べて熱的に不安定であった。
    3. 合成したN-アシルビスマスイミドの基本的な反応性を調べた結果、これらのイミドがホスフィンに対しN-アシルナイトレン等価体として、アルコールやチオールに対し酸化剤として振るまうことが明かとなった。例えばエタノールやイソプロパノールはN-アシルビスマスイミドにより室温でアセトアルデヒドおよびアセトンにそれぞれ酸化される。このような温和な酸化力は15族元素の中でもビスマスに特異的なものである。

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  • 原子価異性を鍵段階とするオン/オフ型機能性有機ビスマス化合物の構築

    研究課題/領域番号:09740469

    1997年 - 1998年

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:奨励研究(A)

    提供機関:日本学術振興会

    俣野 善博

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    配分額:2000000円 ( 直接経費:2000000円 )

    1. 本課題平成10年度においては、複数のビスマス原子を分子内に有する有機ビスマス化合物の機能化をめざし、ひとつの展開として非イオン型水溶性ビスマス化合物を合成した。さらに、ビスマス原子上にキラリティを有するビスムチンおよびビスムトニウム化合物の合成法を確立し、キラルなビスマス化合物の基本的な物性を明らかにした。
    2. 非イオン型水溶性ビスマス化合物は例えば造影剤や抗菌剤としての利用が期待されているが、これまでその合成例はなかった。芳香環にN,N-ビス(ヒドロキシエチル)アミノスルホニル基を有するトリアリールビスムチンを合成してその水溶性を調べた結果、オルトおよびパラ位に同官能基を持つビスムチンが中性条件下で高い水溶性を示すことが明かとなった。さらに、昨年度の本研究課題で確立した手法-スルホニル基のポリオルトリチオ化-を本系に適用して、上記官能基を有するフェニレン架橋型オリゴビスムチン(ビスマス原子;2〜4個)をワンポットで合成し、その水溶性について評価した。
    3. ビスマス原子上のキラリティは学術的にも興味が持たれるが、今回、ビスマス上にキラリティを有する非対称テトラアリールビスムトニウム塩の合成法を確立した。オルト位にオキサゾリン置換基を有するビスムトニウム塩の場合、^1H-NMRではビスマス上のキラリティを反映したジアステレオトピックなシグナルが観測されるが、このシグナルをVT-NMRにより追跡することで、ビスマス上における立体化学的な挙動と対イオンや溶媒の極性との関係を明らかにした。

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  • ビスマス-窒素および-ケイ素結合を有する高原子価有機ビスマス化合物の化学

    研究課題/領域番号:09239225

    1997年

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:重点領域研究

    提供機関:日本学術振興会

    俣野 善博

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    配分額:1000000円 ( 直接経費:1000000円 )

    1.本課題平成9年度においては、ビスマス=炭素およびビスマス=窒素二重結合を有する高原子価有機ビスマス化合物-ビスマスイリドおよびビスマスイミド-の化学を中心に検討を進めた。
    2.2-オキソアルキリデン型ビスマスイリドは1,2-ジカルボニル化合物と低温で円滑に反応するが、生成物の構造は基質の骨格に大きく依存することが明かとなった。すなわち、鎖状ケトエステルとの反応では2,3-二置換エポキシドが、オルトキノンとの反応では3-ヒドロキシトロポンが、さらにベンジルとの反応では非対称1,3-ジケトン由来のエノラートが生成する。いずれの反応においてもトリフェニルビスマス基は中性の良好な脱離基として作用し、遷移状態における立体的混み合いの違いが各反応経路に大きな差を与えているものと思われる。
    3.オルト位に適当な配位性官能基を導入することによりビスマスイミドを空気中でも安定に取り扱える化合物として単離し、X線結晶構造解析によりその構造を明らかにした。もとめられたビスマス=窒素結合の距離は単結合のそれに近いこと、配位性官能基がビスマス中心と大きく相互作用していることから、超原子価構造がこの結合の化学的安定化に大きく寄与していると思われる。
    4.ビスマス原子上に異なる3つのアリール基を持つ非対称トリアリールビスマスイミドの合成に成功した。近傍にオキサゾリン置換基を有する場合、H-NMRにおいてビスマス上のキラリティに反映すると思われるジアステレオトピックなシグナルを与える。これらのキラリティの評価は構造化学的に大変興味が持たれるところであり、現在その詳細について検討中である。

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  • 共役型官能基を有する新規ビスムトニウム化合物の構築と機能性材料への応用

    研究課題/領域番号:08740492

    1996年

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:奨励研究(A)

    提供機関:日本学術振興会

    俣野 善博

      詳細を見る

    配分額:1000000円 ( 直接経費:1000000円 )

    1.本課題においては、非対称アリールビスムトニウム塩と求核種との反応における置換基効果を明らかにした。また、分子内にキラル中心を二つ持つ非対称テトラアリールビスムトニウム塩の化学について基礎的な検討を行った。さらに、共役型多環芳香族官能基を有するトリアリールビスムチンの合成に成功した。
    2.アリールビスムトニウム塩の反応性を知る自的で、アニシル、チオアニシル、トリル基を有する非対称アリールビスムトニウム塩を合成し、チオラート、フェノキシド、スルフィナ-トとの反応における置換基効果を検討した結果、求核種はより電子不足なアリール基と優先的に反応することが明らかとなった。
    3.機能性材料の中で光学活性化合物の果たす役割は重要である。我々は既に全てのアリール基が異なるテトラアリールビスムトニウム塩の一般的な合成方法を確立しているが、今回、キラル中心であるビスマス原子の異性化挙動に関する基礎的な知見を得る目的で、対イオンもしくはリガンドに別のキラル中心を持つジアステレオマ-の合成を行い、いずれも安定な化合物として単離することに成功した。定量化までには至っていないが、現在核磁気共鳴法を用いてその異性化挙動を検討中である。
    4.多環共役置換基を有するビスマス化合物はこれまでほとんど報告例がなかったが、ハロビスムチンとアリールリチウム、もしくはビスムチドとヨードアレーンとのカップリング反応によりアンセトラセン、フェナントレン置換基を持つビスムチンの合成に初めて成功した。吸収スペクトルの測定により、これらの化合物におけるビスマス置換基の置換特性が明らかとなった。今後、対応するジクロリド、オニウム塩も含めて多環共役系置換基を有する一連のビスマス化合物の構造と分子内電荷移動状態の相関をさらに詳細に検討する予定である。

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  • 特異な官能基導入反応の開発とその機構解明をめざした新規ビスムトニウム化合物の構築

    研究課題/領域番号:07740496

    1995年

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:奨励研究(A)

    提供機関:日本学術振興会

    俣野 善博

      詳細を見る

    配分額:1000000円 ( 直接経費:1000000円 )

    1.ビスマスが高原子価状態において示す特異的な挙動は、構造、理論および合成化学の領域において興味深い研究対称として注目を集めている。本課題においては、最近までその姿が全く知られていなかったアルケルビスムトニウム塩およびビスマス上にキラル中心を持つ非対称テトラアリールビスムトニウム塩の一般的な合成法を初めて確立し、その構造と反応性について詳細に検討した。
    2.トリフェニルビスマスジフルオリドを、塩化メチレン中ルイス酸存在下、シリルシアニド、アルケニル錫と順次反応させると、アルケニルトリフェニルビスムトニウム塩が安定な結晶として得られる。X線結晶構造解析の結果、ビスマス中心は歪んだ正四面体型構造を取り、対イオンとの相互作用は比較的弱いことが明かとなった。アルケニルビスムトニウム塩はスルフィン酸塩およびパラジウム錯体と容易に反応してアルケニル基を優先的にトランスファーする。塩基との反応においては、系中でフリーなアルキリデンカルベンを発生し、スチレンが共存する場合にはトリフェニルビスムタンの脱離を伴って対応するシクロプロパンを与える。
    上の反応系において、アルケニル錫の代わりにアリール錫を炭素求核剤として用いると、非対称アリールトリフェニルビスムトニウム塩が高収率で得られる。この手法を利用して、全てのアリール基が異なる非対称テトラアリールビスムトニウム塩の合成に成功した。この化合物はビスマス原子上にキラル中心を有しており、異性化挙動の解明や機能性材料への応用など、様々な展開が期待できる。

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  • 新しいタイプのビスムトニウム化合物の構築およびそれを利用した合成反応の開発

    研究課題/領域番号:06740480

    1994年

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:奨励研究(A)

    提供機関:日本学術振興会

    俣野 喜博

      詳細を見る

    配分額:1200000円 ( 直接経費:1200000円 )

    1.ビスマスは安定元素の中で最も重い元素であり、しばしば軽元素の化学からは予測できない興味深い挙動を示す。本課題においては、最近までその姿が全く知られていなかったオキソアルキルビスムトニウム塩および準安定型ビスムトニウムイリドの一般的な合成法を初めて確立し、その構造と反応性について詳細に検討した。
    2.トリアリールビスマスジフルオリドをルイス酸存在下、シリルエノールエーテルもしくはシロキシシクロプロパンと反応させると、2-あるいは3-オキソアルキルトリアリールビスムトニウム塩が安定な結晶として得られる。X線結晶構造解析の結果、これらのオニウム塩の安定化にはアルキル鎖のカルボニル基の空間配置が重要な役割を果たしていることが明かとなった。また、それぞれのオニウム塩は求核種との反応においてアルキル基を選択的にトランスファーする。
    3.2-オキソアルキルビスムトニウム塩は、低温下適当な塩基を作用させると、準安定型のトリアリールビスムトニウムイリドに変換される。得られたイリドはアリデヒド、アジリジンとの反応によりα,β-エポキシケトン、α,β-アジリジノケトンとトリアリールビスムチンを良好な収率で与えるが、このような反応形式は同族のリン、ヒ素、アンチモンの類縁体には見られず、この反応においてビスマスの特異性が顕著に現れていることが明かとなった。
    4.上記の結果は、高原子価有機ビスマス化合物の持つユニークな化学性の一面を明らかにするものであり、今後さらに各種ビスムトニウム化合物の合成、構造および反応性について系統的に研究を進めていく予定である。

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  • 高原子価有機ビスマスオキシド・ビスムトニウム塩の特性を活かした新しい増炭・酸化反応の開発

    研究課題/領域番号:05740392

    1993年

    制度名:科学研究費助成事業

    研究種目:奨励研究(A)

    提供機関:日本学術振興会

    俣野 善博

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    配分額:1000000円 ( 直接経費:1000000円 )

    1.ビスマスは安定元素の中で最も重い元素であり、しばしば軽元素の科学からは予測できない興味深い振舞いを示す。本課題においては、今日まで未開拓の化学種であったビスマスオキシド、ビスムトニウム塩の合成法を確立し、さらにその構造および科学挙動について検討した。
    2.ビスマスオキシドの合成を目的としたトリフェニルビスムチンの直接酸化は極めて多彩な結果をもたらした。中でもオゾン/トルエン系による酸化では、予期せぬ生成物であるリトフェニルビスマスジフォルメートが定量的に得られた。一方、ヨードソベンゼンによる酸化では目的とするトリフェニルビスマスオキシドが溶液状態で定量的に生成する。この化学種は同族のリン、ヒ素、アンチモンのオキシドとは異なり各種アルコーを効率よく酸化した。
    3.ビスムトニウム塩、特にアルキル-ビスマス結合を有するビスムトニウム塩の一般的合成法はこれまで全く知られていなかったが、トリアリールビスマスジフルオリド・ルイス酸・シリルエノ-エウエーテルの組み合わせによる2-オキソアルキルビスムトニウム塩の効率的な合成に成功した。得られたビスムトニウム塩の構造をX線解析により確定し、その化学的挙動を知るために種々の求核種との反応について検討した。その結果、4つのリガンドの中で2-オキソアルキル基がアシルカチオン等価体として選択的に求核試剤にトランスファーされることが明らかとなった。
    4.上記の結果は、高原子価ビスマス化合物のもつユニークな一面を明らかにするものであり、今後さらに各種誘導体の合成・構造・反応性について検討していく予定である。

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担当経験のある授業科目

  • SDGsを支える化学

    2024年
    -
    現在
    機関名:新潟大学

  • 科学・技術と社会

    2023年
    -
    現在
    機関名:新潟大学

  • 有機化学I

    2023年
    -
    現在
    機関名:新潟大学

  • グリーンケミストリー概説

    2023年
    機関名:新潟大学

  • 化学コロキウム

    2022年
    -
    現在
    機関名:新潟大学

  • 新素材の物性

    2022年
    -
    2023年
    機関名:新潟大学

  • 統合化学入門

    2022年
    機関名:新潟大学

  • 大型機器分析技術

    2022年
    機関名:新潟大学

  • 数理物質科学の最前線

    2022年
    機関名:新潟大学

  • 理学スタディ・スキルズ

    2022年
    機関名:新潟大学

  • 化学英語

    2021年
    -
    2022年
    機関名:新潟大学

  • 有機合成方法論II

    2021年
    機関名:新潟大学

  • 有機物質合成論

    2021年
    機関名:新潟大学

  • 課題研究 a

    2020年
    -
    現在
    機関名:新潟大学

  • 課題研究 b

    2020年
    -
    現在
    機関名:新潟大学

  • 先端科学技術総論

    2020年
    機関名:新潟大学

  • 理学スタディ・スキルズ

    2018年
    -
    2022年
    機関名:新潟大学

  • 自然科学総論Ⅰ

    2018年
    機関名:新潟大学

  • 有機化学Ⅱ

    2017年
    -
    現在
    機関名:新潟大学

  • 課題研究

    2017年
    -
    2023年
    機関名:新潟大学

  • 化学英語

    2017年
    -
    2022年
    機関名:新潟大学

  • 総合力アクティブ・ラーニング

    2017年
    -
    2019年
    機関名:新潟大学

  • 安全教育

    2016年
    機関名:新潟大学

  • 日本事情自然系A

    2015年
    機関名:新潟大学

  • 数理物質科学特定研究ⅡA(化学)

    2015年
    機関名:新潟大学

  • 有機機器分析

    2014年
    -
    現在
    機関名:新潟大学

  • 有機化学演習

    2014年
    -
    現在
    機関名:新潟大学

  • 有機物質合成論

    2014年
    -
    2021年
    機関名:新潟大学

  • 化学入門

    2014年
    -
    2020年
    機関名:新潟大学

  • 有機化学II

    2014年
    -
    2016年
    機関名:新潟大学

  • 化学実験

    2014年
    -
    2015年
    機関名:新潟大学

  • 数理物質科学特定研究Ⅰ(化学)

    2014年
    機関名:新潟大学

  • 数理物質科学演習Ⅰ(化学)

    2014年
    機関名:新潟大学

  • 社会を支える有機化学

    2013年
    -
    現在
    機関名:新潟大学

  • 有機合成方法論Ⅱ

    2013年
    -
    2017年
    機関名:新潟大学

  • 課題研究(化学科)

    2013年
    -
    2016年
    機関名:新潟大学

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