自然科学研究科 教授
理学部 教授
2024/10/06 更新
博士(理学) ( 1994年3月 北海道大学 )
operator theory
functional analysis
作用素論
関数解析
ジャイロベクトル空間
gyrovector space
自然科学一般 / 基礎解析学
新潟大学 自然科学研究科 教授
2015年4月 - 現在
新潟大学 理学部 教授
2015年4月 - 現在
新潟大学 自然科学研究科 准教授
1995年4月 - 2015年3月
新潟大学 理学部 准教授
1994年9月 - 2015年3月
新潟大学 理学部 助手
1988年5月 - 1994年8月
新潟大学 理学研究科 数学
- 1988年
国名: 日本国
新潟大学 Graduate School, Division of Natural Science
- 1988年
京都大学 理学部 数学
- 1986年
国名: 日本国
京都大学 Faculty of Science
- 1986年
Mathematical Society of Japan
日本数学会
日本数学会 函数解析学分科会評議員
2022年 - 2023年
日本数学会 函数解析学分科会委員
2019年 - 2020年
M\"obius gyrovector spaces and functional analysis
Keiichi Watanabe
RIMS K\^oky\^uroku Bessatsu B93 223 - 237 2023年7月
On a notion of complex Möbius gyrovector spaces
Keiichi Watanabe
Nihonkai Math. J. 32 ( 2 ) 111 - 131 2021年12月
Keiichi Watanabe
Journal of Inequalities and Applications 2021 ( 1 ) 2021年10月
On Quasi Gyrolinear Maps between Möbius Gyrovector Spaces Induced from Finite Matrices
Keiichi Watanabe
Symmetry 13 ( 1 ) 76 - 76 2021年1月
Continuous Quasi Gyrolinear Functionals on Möbius Gyrovector Spaces
Keiichi Watanabe
Journal of Function Spaces 2020 1 - 14 2020年6月
Cauchy–Bunyakovsky–Schwarz type inequalities related to Möbius operations
Keiichi Watanabe
Journal of Inequalities and Applications 2019 ( 1 ) 2019年12月
A Cauchy type inequality for Möbius operations
Keiichi Watanabe
Journal of Inequalities and Applications 2018 ( 1 ) 2018年12月
A Cauchy-Bunyakovsky-Schwarz type inequality related to the Möbius addition
Keiichi Watanabe
Journal of Mathematical Inequalities ( 4 ) 989 - 996 2018年
Finitely generated gyrovector subspaces and orthogonal gyrodecomposition in the Möbius gyrovector space
Toshikazu Abe, Keiichi Watanabe
Journal of Mathematical Analysis and Applications 449 ( 1 ) 77 - 90 2017年5月
Orthogonal Gyroexpansion in Möbius Gyrovector Spaces
Keiichi Watanabe
Journal of Function Spaces 2017 1 - 13 2017年
A confirmation by hand calculation that the Möbius ball is a gyrovector space
Keiichi Watanabe
Nihonkai Math. J. 27 ( 1--2 ) 99 - 115 2016年
On the range of the parameters for the grand Furuta inequality to be valid
Keiichi Watanabe
Journal of Inequalities and Applications 2014 ( 1 ) 2014年12月
A certain functional inequality derived from an operator inequality
Keiichi Watanabe
Journal of Mathematical Inequalities ( 1 ) 69 - 81 2014年
On the range of the parameters for the grand Furuta inequality to be valid II
Keiichi Watanabe
Journal of Mathematical Inequalities ( 3 ) 673 - 683 2014年
Keiichi Watanabe
Journal of Inequalities and Applications 2013 ( 1 ) 2013年12月
Another consequence of tanahashi's argument on best possibility of the grand Furuta inequality
Tatsuya Koizumi, Keiichi Watanabe
Central European Journal of Mathematics 11 ( 2 ) 368 - 375 2013年2月
An application of matrix inequalities to certain functional inequalities involving fractional powers
Keiichi Watanabe
Journal of Inequalities and Applications 2012 ( 1 ) 2012年12月
A remark on extension of order preserving operator inequality
Tatsuya Koizumi, Keiichi Watanabe
Journal of Mathematical Inequalities ( 1 ) 119 - 124 2012年
On monotonicity of some operator functions related to order preserving operator inequalities
Tatsuya Koizumi, Keiichi Watanabe
Journal of Mathematical Inequalities ( 4 ) 579 - 587 2012年
On a simple range of parameters of the grand Furuta inequality
Keiichi Watanabe
Int. Math. Forum 7 ( 58 ) 2897 - 2902 2012年
Isometries between groups of invertible elements in C*-algebras
Osamu Hatori, Keiichi Watanabe
Studia Mathematica 209 ( 2 ) 103 - 106 2012年
On best possibility of an extension of the Furuta inequality
Tatsuya Koizumi, Keiichi Watanabe
Int. J. Funct. Anal. Oper. Theory Appl. 3 ( 2 ) 155 - 161 2011年
A variation of Takesaki duality for ordered abelian groups and Arveson's spectral subspaces
Keiichi Watanabe
Contemp. Math. 435 371 - 376 2007年
A note on a class of Banach algebra-valued polynomials
Sin-Ei Takahasi, Osamu Hatori, Keiichi Watanabe, Takeshi Miura
International Journal of Mathematics and Mathematical Sciences 32 ( 3 ) 189 - 192 2002年
Problems on isometries of non-commutative Lp-spaces
Keiichi Watanabe
Contemp. Math. 232 349 - 356 1999年
The Fuglede-Putnam theorem and a generalization of Barría’s lemma
Toshihiro Okuyama, Keiichi Watanabe
Proceedings of the American Mathematical Society 126 ( 9 ) 2631 - 2634 1998年
An application of orthoisomorphisms to non-commutative $L^{p}$-isometries
Keiichi Watanabe
Publications of the Research Institute for Mathematical Sciences 32 ( 3 ) 493 - 502 1996年
Finite measures on preduals and non-commutative Lp-isometries
Keiichi Watanabe
J. Operator Theory 33 ( 2 ) 371 - 379 1995年
Some results on non-commutative Banach function spaces II (Infinite cases)
Keiichi WATANABE
Hokkaido Mathematical Journal 22 ( 3 ) 349 - 364 1993年10月
Some results on non-commutative Banach function spaces
Keiichi Watanabe
Mathematische Zeitschrift 210 ( 1 ) 555 - 572 1992年12月
On the angle operator between two projections in a von Neumann algebra
Masaki Hirata, Hidekazu Ogi, Kichi -Suke Saito, Keiichi Watanabe
Archiv der Mathematik 59 ( 4 ) 361 - 362 1992年10月
On isometries between noncommutative Lp-spaces associated with arbitrary von Neumann algebras
Keiichi Watanabe
J. Operator Theory 28 ( 2 ) 267 - 279 1992年
Finiteness of von Neumann algebras and non-commutative $L^{p}$-spaces
Keiichi WATANABE
Hokkaido Mathematical Journal 19 ( 2 ) 297 - 305 1990年6月
Shifts with two generators on the hyperfinite II1-factor
Watanabe Keiichi
Nihonkai Mathematical Journal 1 ( 1 ) 121 - 135 1990年
Dual of non-commutative Lp-spaces with 0 < p < 1
Keiichi Watanabe
Mathematical Proceedings of the Cambridge Philosophical Society 103 ( 3 ) 503 - 509 1988年5月
On extreme points of the unit ball of a non-commutative LP -space with 0<p≤1
Keiichi Watanabe
Sci. Rep. Niigata Univ. Ser. A 25 5 - 10 1988年
ジャイロベクトル空間の関数解析的研究
研究課題/領域番号:21K03288
2021年4月 - 2026年3月
制度名:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
研究種目:基盤研究(C)
提供機関:日本学術振興会
渡邉 恵一
配分額:4030000円 ( 直接経費:3100000円 、 間接経費:930000円 )
実ヒルベルト空間の原点を中心とする開球は,メビウスの和とメビウスのスカラー倍によってジャイロベクトル空間の構造をもつ。この空間においては,有限生成のジャイロベクトル部分空間は同じ元で生成される線形部分空間と開球の共通部分に一致すること,位相的に相対閉なジャイロベクトル部分空間の閉線形包に関する直交分解を補正すると直交ジャイロ分解が一意的に得られること,任意の元がポアンカレの距離で収束する直交ジャイロ展開をもつこと,ジャイロ展開係数を求める具体的な手続き等々が知られていて,これはヒルベルト空間の正規直交基底に関するフーリエ式直交展開のジャイロ理論における対応物となっている。これをさらに推し進めて,2元それぞれの直交ジャイロ展開係数による2元のポアンカレの距離の評価について解明する。また,2乗総和可能な数列が,ヒルベルト空間上の有界線形汎関数に対応するメビウスジャイロベクトル空間上の(線形と限らない)汎関数の最も基本的なクラスを誘導するという,Rieszの定理の対応物が知られている。この方法を推し進め,土台のヒルベルト空間の正規直交基底の組とそれらの間の有界線形作用素の表現行列を用いて,メビウスジャイロベクトル空間の間のquasi gyrolinearとよばれるジャイロ線形性に準じた性質をもつ写像が自然に誘導され,このクラスの写像について,ヒルベルト空間の間の有界線形作用素論の対応物を建設することが当面の目的のひとつである。そのため,ヒルベルト空間の間の縮小線形作用素の制限がメビウスの演算と距離に関してLipschitz連続であるかどうかが最初の重要な問題であったが,これを解明した論文が2021年10月に出版された。
バナッハ空間の幾何構造の研究とその応用
研究課題/領域番号:15K04920
2015年4月 - 2019年3月
制度名:科学研究費助成事業
研究種目:基盤研究(C)
提供機関:日本学術振興会
斎藤 吉助, 加藤 幹雄, 三谷 健一, 渡邉 恵一
配分額:4810000円 ( 直接経費:3700000円 、 間接経費:1110000円 )
バナッハ空間の幾何構造の研究として、直交性の研究と幾何学定数の研究に2分される。まず、James定数が√2をもつバナッハ空間の特徴付けに成功し、Math Nach, Mediter J Math, Math Inequal Applの3部作として発表した。さらに、バナッハ空間のBirkhoff直交性のSymmetryの研究を行い、von Neumann環等の空間において、symmetric pointの特徴付けを行った。特に、2次元symmetricバナッハ空間はRadon空間として知られているが、Day-James spaceの概念を用いて、特徴付けに成功し、高い評価を得ている。
ヒルベルト空間上の荷重合成作用素のジョルダン型モデル理論に関する研究
研究課題/領域番号:23540190
2011年4月 - 2016年3月
制度名:科学研究費助成事業
研究種目:基盤研究(C)
提供機関:日本学術振興会
渡邉 恵一, 泉池 敬司, 斎藤 吉助, 羽鳥 理
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
可算無限次元ヒルベルト空間上の連続な荷重合成作用素に対して,正方行列のジョルダン標準形に相当する理論を構築することが目的であった。この研究の中で,順序を保存する作用素不等式,結合法則が必ずしも成り立たない代数および双曲幾何との関連が認識された。前者についてはフルタ型の作用素不等式の拡張を与え,また行列不等式を応用することによってある種の多項式の間の微妙な関数不等式を発見し証明した。後者については任意の実内積空間の球がジャイロ可換なジャイロ群であるだけでなくジャイロベクトル空間の構造をもつことの初等的な手計算による証明を与え,この分野の初等的アプローチによる研究の可能性を示した。
バナッハ空間の種々の定数及びノルム不等式の研究とその応用
研究課題/領域番号:23540189
2011年 - 2013年
制度名:科学研究費助成事業
研究種目:基盤研究(C)
提供機関:日本学術振興会
斎藤 吉助, 加藤 幹雄, 羽鳥 理, 三谷 健一, 渡邉 恵一
配分額:4940000円 ( 直接経費:3800000円 、 間接経費:1140000円 )
この研究課題での主な成果は、次のようなものである。
(1)バナッハ空間の幾何学的な構造を示す定数が多くあるが、その中で、von Neumann-Jordan定数やJames定数等のの計算方法を提示し、2次元空間であるが、多くのバナッハ空間について正確な計算を行い、その定数の性質や特徴を示した。(2)バナッハ空間における直交性の概念を調べることにより、有限次元空間の構造を調べた。(3)三角不等式の精密化や一般化を行い、バナッハ空間の幾何学的概念の特徴付けに応用を試みた。
バナッハ環における保存問題の研究
研究課題/領域番号:22540178
2010年 - 2012年
制度名:科学研究費助成事業
研究種目:基盤研究(C)
提供機関:日本学術振興会
羽鳥 理, 三浦 毅, 高木 啓行, 泉池 敬司, 斎藤 吉助, 渡邉 恵一
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
本研究でバナッハ環の一般線形群の間の距離を保存する写像の構造を決定した。その応用としてC*環の一般線形群の間の距離を保存する写像の形を決定した。またMazur-Ulamの定理の非可換化を行いこの応用としてヒルベルト空間上のユニタリー群の間の等距離写像の形を決定した。また、ある種の可換バナッハ環の間のノルムを非対称に保存する写像についての知見を得た。さらに解析関数からなるF多元環の間の積を保存する等距離写像の形を決定した。
バナッハ空間のノルム構造及び種々の定数についての研究とその応用
研究課題/領域番号:20540158
2008年 - 2010年
制度名:科学研究費助成事業
研究種目:基盤研究(C)
提供機関:日本学術振興会
斎藤 吉助, 加藤 幹雄, 羽鳥 理, 渡邉 恵一, 高橋 泰嗣
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
バナッハ空間のノルム構造を調べる上で、単位球の形状を調べることは重要であり、その形状によって多くの理論が成立し、或いは、不成立の場合と分かれ、数学の理論に大きく影響を与える。その単位球の構造を調べるために、単位球の構造を反映させる計量として、種々の幾何学的な定数が導入されている。その代表的なものとして、James定数とvon Neumann-Jordan定数がある。その定数の計算はまだまだ調べられている例は少ない。そこで、この研究では、2次元空間R^2上のabsolute normalizedノルムの端点について、James定数の計算に成功した。
一方、ノルム空間の三角不等式の精密化を以前に発表したが、その不等式の証明の簡略化に成功し、更に、等号条件を求めた。さらにその応用について考察した。更に,富永と共同でDunkl-William不等式の研究に着手し、その作用素版についての不等式を得ることに成功した。
バナッハ環上の位相的な量を保存する写像の代数的性質の研究
研究課題/領域番号:19540169
2007年 - 2009年
制度名:科学研究費助成事業
研究種目:基盤研究(C)
提供機関:日本学術振興会
羽鳥 理, 三浦 毅, 高橋 眞映, 泉池 敬司, 斎藤 吉助, 渡邉 恵一
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
関数環をはじめとする半単純可換バナッハ環やヒルベルト空間上の作用素からなるバナッハ環に関係した集合で乗法的にスペクトルを保存する写像や非対称に乗法的にスペクトル半径を保存する写像,またある種の距離を保存する写像の代数構造を研究し,それが線形であることや乗法的となる現象について研究を行った。このことによりバナッハ環の間の写像の保存問題についての新たな知見を得ることができた。
バナッハ空間における単位球の形状及びその定数の研究とその応用
研究課題/領域番号:18540164
2006年 - 2007年
制度名:科学研究費助成事業
研究種目:基盤研究(C)
提供機関:日本学術振興会
斎藤 吉助, 加藤 幹雄, 高橋 泰嗣, 羽鳥 理, 渡邉 恵一
配分額:4010000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:510000円 )
バナッハ空間における単位球の形状は、バナッハ空間の構造理論と深く関係しており、その研究は、ClarksonやHannerなどによるノルム不等式や、von Neumann-Jordan定数やJames定数などの種々の定数の研究と関係して、今までに多くの研究がなされ、関数解析学ばかりでなく、それに関係する多くの分野に応用されている。
まず、この研究では三角不等式のsharpな不等式とその逆不等式を示すことに成功し、応用として、uniform non-squareというバナッハ空間の理論において重要な概念の特徴付けに成功した。更に、三角不等式の結果を更に精密化に成功し、J. Math. Anal. Appl.に発表した。その不等式から、また関連する幾何学的な定数の導入が見込まれ、今後の発展が注目されている。
一方、absolute norm空間の研究も進展しており、加藤や斎藤によって、新しい直和の構造から、バナッハ空間の幾何学的構造の特徴付けに成功している。例えば、三谷-斎藤により、A-直和の概念を用いて、B-convexやJ-convexの概念の特徴付けに成功し、Banach J. Math. Anal.の創刊号に発表された。この方面の研究は今後も多くの結果が見込まれ、国内ばかりでなく、海外でも研究が進んでいる。その中で、Banach空間の定数の具体的な計算として、2次元ローレンツ空間のJames定数の計算を行った。この空間については、未だ完全にJames定数が計算されていなかったが、この計算に成功し、J. Math. Anal. Appl.に発表された。
Banach環に係数をもつ代数方程式の研究
研究課題/領域番号:17540151
2005年 - 2006年
制度名:科学研究費助成事業
研究種目:基盤研究(C)
提供機関:日本学術振興会
羽鳥 理, 三浦 毅, 高橋 眞映, 泉池 敬司, 斎藤 吉助, 渡邉 恵一
配分額:3300000円 ( 直接経費:3300000円 )
可換Banach環の代数構造とその極大イデアル空間の位相構造は本質的に互いに影響を及ぼしている。だからコンパクトHausdorff空間X上の複素数値連続関数全体からなるBanach環C(X)の個々のスペクトルを調べることはひいてはC(X)の代数構造,特に代数的に閉じているか否かを決定する際に重要な情報を与えると思われる。従って一般にBanach環からBanach環へのスペクトル保存写像を調べることはC(X)の代数構造の決定においては重要であると考えられる。可換Banach環から可換Banach環への線形であることを仮定しない写像でスペクトルを保存する写像についていくつかの結果が得られたので論文としてまとめた。またn乗根をもつことの一般化としてp分のq乗根を持つことを抽象的に捕らえてC(X)上の代数方程式の可解性に関する新しい知見が得られ,これについては論文としてまとめた。Karahanjanの導入した,弱い意味でのn乗根の存在条件をC(X)に対して調べ,Xが局所連結,または第一可算である場合には,C(X)が代数的に閉じていることと同値であることを示した。さらに積のノルムと写像で写した後の積のノルムが一致するような写像の線形性や乗法性については一般にはできないことを,2乗について閉じているC(X)において構成したが,その後一般の可換Banach環でも簡単な例が作れることがわかり,関連して積に1を加えたノルムと写像で写してから1を加えたものノルムが一致するような写像の線形性と乗法性について研究した。この研究はまだ未完成であるが,スペクトル保存写像の構造との関係で興味深い新しい発見であると考えている。今後の関連した研究を大いに期待したい。順序付き局所コンパクト可換群がvon Neumann環に作用しているとき,竹崎型双対定理がArvesonスペクトル部分空間に対して成立することを示した。
バナッハ空間における種々の定数の研究とその応用
研究課題/領域番号:16540142
2004年 - 2005年
制度名:科学研究費助成事業
研究種目:基盤研究(C)
提供機関:日本学術振興会
斎藤 吉助, 加藤 幹雄, 高橋 泰嗣, 羽鳥 理, 渡辺 恵一
配分額:3700000円 ( 直接経費:3700000円 )
Banach空間の幾何学的構造の研究は、単位球の形状の研究であり、その構造を示すために種々の定数について、多くの数学者によって研究されている。それらの研究は凸解析学、不動点理論、微分方程式論など数学のあらゆる分野において広く応用されている。特に、この研究課題においては、バナッハ空間の定数、例えば、von Neumann-Jordan定数(以下NJ定数と略)やJames定数について計算することを試みた。これらの定数の計算は、l^P-空間及びL^P-空間やそれに関するBanach空間に対してのみ今までに計算されていたが、2次元ノルム空間でも難しく、完全に計算されていない段階であった。この研究では特に次のような研究を行った。
(1)absolute normによって定義されるBanach空間を取り上げ、種々の定数の計算といろいろなバナッハ空間の幾何学的構造を研究した。
(2)Banach空間のψ-直和の概念を導入し、その空間のsmoothnessやuniform smoothnessになるための必要十分条件を示した。
(3)R^2上のabsoluteノルムに対して、James定数の計算で未解決な部分の1部を解決した。その応用として、Lorenz空間のJames定数を計算した。
(4)Banach空間のψ-直和のuniform nonsquarenessの特徴付けを行った。
可換Banach環上の環準同形写像の自己線形性の研究
研究課題/領域番号:14540161
2002年 - 2003年
制度名:科学研究費助成事業
研究種目:基盤研究(C)
提供機関:日本学術振興会
羽鳥 理, 渡辺 恵一, 斎藤 吉助, 泉池 敬司, 三浦 毅, 高橋 眞映
配分額:3200000円 ( 直接経費:3200000円 )
Banach環上の写像を考えるにあたっては3つの演算を保存する写像(準同形写像)を考えるのが自然であるが,スカラー倍の保存を仮定しない環準同形写像が自動的に線形であることもよくある。どのような場合環準同形写像は自動的に線形写像になるか考察した。可換Banach環上の環準同形写像の表現定理を得た。多くの可換Banach環がみたす条件を仮定すると,環準同形写像は極大イデアル空間上の連続写像と複素数体上の環準同形写像を用いて表すことができることを示し,これを用いてスペクトルが大きいような要素を含む可換Banach環上の環準同形写像が線形写像となることを与えた。特に,円板環上の環準同形写像は値域に非定数関数が含まれていれば複素線形か共役複素線形であることを示した。また,Banach環が有限次元となるための必要十分条件をBanach環値の同時多項式の言葉を用いてあたえた。また,単位円板上の有界正則関数全体からなる可換Banach環上の合成作用素についてそれが合成作用素全体のなかで孤立点になる場合と本質的コンポーネントについて考察した。また,単位円板上の有界正則関数全体よりなる可換Banach環のイデアルについてその閉包がいくつかの極大イデアルの共通部分と一致するようなイデアルの考察を行った。実可換Banach環から狭義の実可換Banach環への環準同形写像は,極大イデアル空間の間のある種の連続関数で記述できることを示した。また互いに特異な測度の特異性、および測度の絶対連続性が極大イデアル空間に表現できることを示し割算問題に応用した。また1つの外部関数で生成される閉イデアルがそのようになるときの必要十分条件を与えた。また、複素ユークリッド空間上のabsoluteノルムがsmoothであるための特徴付けを与えた。楕円型微分方程式に関連するWirtinger型不等式,微分幾何に関連があるといわれるBeesackの不等式を統一的に論じた。特に,Banach空間に値を持つ関数まで拡張した。C(X)上の荷重合成作用素の本質的ノルム及びHyers-Ulam stability constactが,ある種の同じレベル集合の言葉で完全に記述した。
正則関数空間上の合成作用素のJordan型モデル理論に関する研究
研究課題/領域番号:13740092
2001年 - 2002年
制度名:科学研究費助成事業
研究種目:若手研究(B)
提供機関:日本学術振興会
渡邉 恵一
配分額:2400000円 ( 直接経費:2400000円 )
有限次元空間上の線形作用素は行列として表現され,Jordan標準形の理論は最も基本的で重要なものである.以下,作用素は全て可算無限次元Hilbert空間上の有界線形作用素を意味するものとする.作用素は,有限次元の場合より遥かに複雑な現象とかかわっている.有界な作用素はノルムで割り算すると縮小作用素となり,dilation理論等によって深く研究されているが,Jordan標準形の理論に相当する程の解明は,幾つかの特別なクラスを除いては,遠く達成されていない.
一方,具体的な空間の上で具体的に構成される作用素は,構成法に即して研究することができるが,その最も自然で興味深いものの一つは,複素平面の開単位円板上の正則関数をシンボルとする合成作用素である.このとき,合成作用素をノルムで割って縮小作用素にしたものの完全非ユニタリ部分がいわゆるクラスC_0に属するためのシンボルの条件を明らかにし,その時のJordanモデルをシンボルの言葉で明示的に求めることが目的であった.ここで完全非ユニタリな縮小作用素がクラスC_0とは,開単位円板上のある有界正則関数によるSz.Nazy-Foiasのカルキュラスが0となることである.
クラスC_0と関連したクラスとしてalgebraicがある.これはある多項式に"代入"すると0となるような作用素のクラスである。上記目的から,複素平面の連結開集合上の荷重合成作用素がalgebraicとなる必要十分条件をシンボルの言葉で求めるという問題が派生した.その条件を,合成と荷重の2つのシンボルの言葉で完全に記述することが出来,その最小多項式も決定された.
Banach空間のvon Neumann-Jordan定数の研究とその応用
研究課題/領域番号:12640160
2000年 - 2001年
制度名:科学研究費助成事業
研究種目:基盤研究(C)
提供機関:日本学術振興会
斎藤 吉助, 渡邊 恵一, 高橋 泰嗣, 加藤 幹雄, 鈴木 智成
配分額:3600000円 ( 直接経費:3600000円 )
Banach空間の構造研究は、'数学のあらゆる分野において重要な研究対象になっており、広く応用されている。特に、この研究課題においては、von-Neumann-Jordanによるvon Neumann-Jordan定数(以下NJ定数と略)の研究を、具体的に有限次元空間において行った。l^p-空間及びL^p空間やそれに関するBanach空間に対してのみ今までに計算されていたが、この研究では、まず、2次元Banach空間上のabsolute normと[0,1]上のある条件を持つ凸関数が1対1に対応していることに着目して、2次元Banach空間上のabsolute normに対して、NJ定数の計算あるいは評価することに成功した。また、Banach空間の幾何学的構造、例えば、一様凸性や狭義凸性、smoothnessなどのノルムの性質や構造を、[0,1]上の凸関数の言葉で色々と調べており、かなりのことが成立することを証明した。例えば、ノルムが狭義凸であることと対応する凸関数が狭義凸であることなど。また、この理論をn次元Banach空間上に拡張することに成功した。即ち、absolute normとある凸関数が1対1対応することを示すことに成功した。それにより、2次元の結果をn次元の結果に拡張できることを示した。現在、無限次元空間においてabsolute normの研究を試みている段階であり、ノルムの幾何学的性質を凸関数の言葉で置き換えることに大きな意義があり、今後この研究を応用することも含めて継続していく予定である。更に、Jamas定数など他の定数とBanach空間の幾何学的構造との関係の研究も進んでおり、これからの進展が期待される。また、作用素論及び作用素環論への応用も模索中である。
関数空間上の作用関数の研究
研究課題/領域番号:11640157
1999年 - 2000年
制度名:科学研究費助成事業
研究種目:基盤研究(C)
提供機関:日本学術振興会
羽鳥 理, 渡辺 恵一, 斎藤 吉助, 泉池 敬司
配分額:3400000円 ( 直接経費:3400000円 )
半単純可換Banach環の最大正則部分環とApostol環(decomposable積作用素に対応する要素全体)が一致するための十分条件をGelfand空間の言葉を用いて与えた.これをFoureir multiplierのばあいに応用し,Lp-multiplierの自然なスペクトルをもつ関数全体に含まれる多元環の構造を調べた.個別作用関数がある特別な場合にも類似したことが分かるようになった.また,可換C^*環から部分環への弱射影が存在するための十分条件を与えた.色々な関数空間上の幾つかの試験関数族に対するBKW作用素の構造を調べた.特に,有界閉区間上の実連続関数の空間上のある条件を満たすBKW作用素を決定し,円板環に対するBKW作用素の構造を調べた.Blaschke積の弱無限積を調べ,その応用としてGorkin-Mortiniの素イデアルに関する問題を解決した.また,Douglas環が余次元1の線形等距離写像をもつ場合の特徴づけをした.平方根をとる操作について閉じている可換C^*環の極大イデアル空間の構造について,それが局所連結の場合に決定できた.可換Banach環上の環準同形写像では,ある条件を満たす場合は準同形写像の場合のように極大イデアル空間の間の連続写像とさらに複素数体上の環準同形写像を引き起こし,その両者により記述できる事が証明できた.この条件は比較的緩い条件であるので,たとえば上への環準同形写像やもう少し一般的に"局所的に"上への環準同形写像であれば,この条件を満たす事がわかる.我々の得た可換Banach環上の環準同形写像の表現定理を用いて,多様な環準同形写像が自動的に線形である事が証明できる.たとえば円板環上の環準同形写像において,その像が非定数関数を含むとき,その環準同形写像は線形であることがわかった.連続関数からなる関数空間や多元環にたいして,その作用関数全体からなる空間や多元環の構造を探る上で重要な道具立てが得られたと考えている.
非可換L^p空間上の等距離作用素の構造の研究
研究課題/領域番号:11740107
1999年 - 2000年
制度名:科学研究費助成事業
研究種目:奨励研究(A)
提供機関:日本学術振興会
渡邉 恵一
配分額:2100000円 ( 直接経費:2100000円 )
1<p<∞,p≠2とし,M_1,M_2を任意のvon Neumann環,φ_0,ψ_0をそれぞれの上の忠実正規半有限荷重,L^p(M_1;φ_0),L^p(M_2;ψ_0)をHaagerupの構成法による非可換L^p空間,TをL^p(M_1;φ_0)からL^p(M_2;ψ_0)への全射線型等距離作用素とする.Tから,前双対空間の間に写像γ:(M_1)_*→(M_2)_*が自然に誘導され,もしγが線型であることを証明できれば,Tの構造が十分に述べられることが,すでに分かっていた.γの線型性を調べるため,まず連続性を調べる必要がある.M_1がσ-有限測度空間(X,〓,μ)による可換von Neumann環L^∞(X,〓,μ)の場合,γの連続性は,ある写像π:L^1(X,〓,μ)→L^p(X,〓,μ)の連続性に帰着され,前年度に次のことが明らかになっていた:
(1)πはL^1(X,〓,μ)で連続である.
(2)‖π(f)-π(g)‖_p【less than or equal】C‖f-g‖_1,f,g∈L^1(X,〓μ),を満たすような正の定数Cは存在しない.
今年度はM_1がHilbert空間H上の有界線型作用素全体のなすvon Neumann環B(H)の場合,γの連続性を研究した.得られた新たな知見等の成果は次のとおり:
1可換の場合と類似の点として,Schattenのp-イデアルをC_pと表わすとき,問題は次のような写像ρ:C_1→C_pの連続性に帰着する.
ρ(a)=u_a|a|^<1/p>,a∈C_1
ただし,a=u_a|a|は極分解を表わす.
2Hが有限次元の場合でも,可換の場合の手法では,ρの連続性を証明することは困難である.その理由は,aを動かしたとき,u_aの部分が可換の場合より遥かに複雑に振舞う余地があるためである.
3しかし,同様の結論は成立すると予想され,マジョリゼーション理論で用いられる外積代数によるコンパクト作用素の特異値の解析の手法を試みる段階である.
作用素環上のHilbert moduleの構造とその応用
研究課題/領域番号:09640165
1997年 - 1998年
制度名:科学研究費助成事業
研究種目:基盤研究(C)
提供機関:日本学術振興会
斎藤 吉助, 渡辺 恵一, 羽鳥 理, 関川 浩永, 田中 謙輔, 泉池 敬司
配分額:3000000円 ( 直接経費:3000000円 )
平成9年度-10年度の2年間に、下記のことを念頭において共同研究を行った。作用素論や作用素環において、不変部分空間の構造理論は、関数空間上のHilbert moduleの概念で捉えられるように、この研究には多くの問題が数多く残されている。この研究ではDouglas-Paulsenによる関数環上のHilbert moduleの理論を詳細に考察して、作用素環の中で、特に、自己共役でない作用素環(例えば、subdiagonal環、nest環、CSL環など)の研究において、作用素環上のHilbert moduleの構造と考えて調べることは重要なことである。まず、subdiagonal環の構造について調べた。冨田-竹崎理論を用いて、極大subdiagonal環がモジュラー自己同型群に関して不変であることを示すことにより、極大subdiagonal環の特徴付けを行った。その応用として、B(H)のsubdiagonal環はatomic nestを持っnest環以外にないことを示した。更に、作用素の分解定理として、関数環におけるinner-outer分解の一般化としての分解定理について考察した。一般のsubdiagonal環においては、いつもその分解定理が成立しないが、弱い形の分解定理がいつも成立することを示すとともに、強い形の分解定理が成立するための同値条件を与えた。これらの結果は今後の研究に重要なものであり、多くの発展性を持っている。
関数環の立場からも、L^2(T^2)の不変部分空間の構造、commutatorの性質などの結果やDouglas環の構造について、moduleの立場で考察した。また、代数学や幾何学の研究者の協力により、代数学におけるmoduleの理論の把握に努め、今後の研究に大きな基礎を固めた。
更に、凸解析学における最適化理論や情報理論におけるEntropy理論についても応用を試み、幾つかの成果を得ている。
自然なスペクトルを持つ作用素の研究
研究課題/領域番号:09640166
1997年 - 1998年
制度名:科学研究費助成事業
研究種目:基盤研究(C)
提供機関:日本学術振興会
羽鳥 理, 渡辺 恵一, 斎藤 吉助, 泉池 敬司
配分額:2900000円 ( 直接経費:2900000円 )
非Lipschitz関数が作用するBanach関数空間が自明なものに限るための十分条件を与えた.非自明なBanach関数環あるいはもっと一般に非自明なBanach関数空間上の作用関数はLipschitz関数とは限らないがある程度強い連続性を持つことが示された.このことはBanach関数環A上の作用関数によりGelfand空間を特徴づけるのはある意味では難しいということを暗示していると考えられる.
非離散局所コンパクトabel群G上の測度環をM(G)とし,自然なスペクトルをもつ測度全体をNS(G)とする.すると,NS(G)は和に関して閉じていなくGがコンパクトでないときはNS(G)+L^1(G)=M(G)が成立することがわかった.また,Fourier-Stieltjes変換が無限遠点でOとなるM(G)の元全体からなる可換Banach環M_0(G)とし,そのなかで自然なスペクトルをもつ測度全体をNS_0(G)とする.GがコンパクトのときこれはL^1(G)上の作用素としてdecomposableなもの全体(Apostol環)と一致するが,コンパクトでないときはそうならないこともわかった.NS(G)にはL^1(G)上の作用素としてdecomposableでないものがあることもわかった.実際,NS(G)+NS(G)+NS(G)=M(G)であることが示された.対応する事柄はFourier multiplierからなる可換Banach環では既に知られていたので,得られた結果は自然なものと言える.
Douglas環のApostol環はQ-連続関数全体と一致すること,単位開円板上の有界正則関数全体H^∞に対してNSH^∞+NSH^∞=H^∞も示された.このことからNSH^∞は代数的には閉じていなく,ある程度大きい集合であることがわかった.
多変数Hardy空間上のToeplitz型作用素と不変部分空間の相互関係
研究課題/領域番号:08640183
1996年
制度名:科学研究費助成事業
研究種目:基盤研究(C)
提供機関:日本学術振興会
泉池 敬司, 羽鳥 理, 渡辺 恵一, 磯貝 英一, 寺沢 達雄, 斎藤 吉助
配分額:2200000円 ( 直接経費:2200000円 )
1)研究代表者は作用素論とハ-ディ空間の不変部分空間について,はば広く研究を行なった。トーラス上ではある種の作用素に関係する不変部分空間を確定し,n-調和関数のブルゲン環を決定した。またコロフキンの定理を満たすいくつかの作用素を決定した。特にQC-関数に対して点列コロフキンの定理が成立することを示した。
2)磯貝は信頼係数と区間幅が与えられた条件の下で,母数の信頼を間を構成し,その被覆確確率収束の速さを求めた。
3)渡辺は非可換L^P空間の間の線型等長作用素は,全射かつ*-保存ならば,自然に定まるJordan*-同型を用いて記述できることを示した。
4)羽鳥は自然なスペクトルをもつラディカルに入らない測度の存在を示し,LausenとNeumannの問題を解決し,また可換バナッハ環の最大正則部分環とアポストル環が一致するための十分条件を与えた。
作用素環の手法による作用素と不変部分空間の研究
研究課題/領域番号:08640182
1996年
制度名:科学研究費助成事業
研究種目:基盤研究(C)
提供機関:日本学術振興会
斎藤 吉助, 渡辺 恵一, 羽鳥 理, 関川 浩永, 田中 謙輔, 泉池 敬司
配分額:2200000円 ( 直接経費:2200000円 )
自己共役でない作用素環の構造研究は、現在までに、不変部分空間の問題や正規でない作用素の構造研究と関連して、多くの研究者によってなされてきた。作用素論における問題を解決させるために、自己共役でない作用素環の構造を調べることは重要であり、その研究に重点をおいて研究した。自己共役でない作用素環は、Arvesonにより作用素環の解析性の研究として知られるsubdiagonal環の構造に着目して、今までに知られている結果、例えば、不変部分空間の構造理論、分解定理、極大性などについて整理することから始めた。得られた結果として、Nest環とsubdiagonal環の関係、例えば、pureの概念を定義しsubdiagonal環がpureであることはある特殊なNest環になる為の必要十分条件になることを示した。また、subdiagonal環の極大性の問題において、すべてのσ-弱閉subdiagonal環はいつも極大か?という問題を考察し、modular自己同型群で不変という結果を示した。この結果の応用として多くの発展が今後期待される。
また、L^2(T^2)の不変部分空間のzw-不変部分空間としての形の決定問題、及び、不変部分空間と自己共役な交換子との関係、L^2(T^2)におけるBourgain環についての結果、非可換積分論の構造についての結果などを得ている。更に、凸解析における最適化理論への応用及び4次元多様体の構造との関連などについて考察した。
今後、作用素論の不変部分空間の理論と自己共役でないでない作用素環の構造の更なる発展が期待される。
非可換積分論と非可換次元論の研究
研究課題/領域番号:07740096
1995年
制度名:科学研究費助成事業
研究種目:奨励研究(A)
提供機関:日本学術振興会
渡邊 恵一
配分額:1000000円 ( 直接経費:1000000円 )
非自己共役作用素環の非可換次元の計算においては,非可換積分論のさらなる深化が必要であるとの中間的結論に達し,主として,非可換L^P空間の間の等距離線型作用素の構造定理に取り組んだ。
1<P<∞,P≠2とする。(半有限とは限らない)任意の2つのvon Neumann環M_1,M_2に対して,Tを非可換L^P空間L^P(M_1)からL^P(M_2)への等距離作用素とする。M_1,M_2がσ-有限,Tが*-保存かつ全射ならば,M_1からM_2へのJordan*-同型Jが存在する事が,平成4年度の研究までに示されていた。さらに,はじめのTが正値的ならば,それはJの拡張と,stateの変更に関連した自然な*-同型との合成に他ならない事が,平成6年度の研究で示されていた。
報告者は,TがM_1,M_2の前双対空間の間の直交同型写像に関して知られていた定理を応用して,M_1,M_2のσ-有限性やTの*-保存性および全射性無しに,Jが存在する事を証明した。さらに,はじめのTが*-保存かつ全射ならば,それはJの拡張と,weightの変更に関連した自然な*-同型との合成に,M_2の中心的自己共役ユニタリ元を掛ける写像に他ならない事を証明した。
このことは,数列空間l^P上の全射等距離作用素が,列の並べかえと絶対値1のスカラー列倍の合成に限るという有名なBanachの定理を,von Neumann環の文脈で完全に一般残された部分は,Tの*-保存性,全射性の仮定を取り除く事である。
非可換積分論と非可換次元論の研究
研究課題/領域番号:06740105
1994年
制度名:科学研究費助成事業
研究種目:奨励研究(A)
提供機関:日本学術振興会
渡邉 恵一
配分額:900000円 ( 直接経費:900000円 )
非自己共役作用素環の非可換次元の計算においては,非可換積分論のさらなる深化が必要であるとの結論に達し,主として,非可換L^p空間の間の等距離線型作用素の構造定理に取り組んだ。
1<p<∞,p≠2とする。σ-有限な(半有限とは限らない)任意の2つのvon Neumann環M_1,M_2に対して,Tを非可換L^p空間L^p(M_1)からL^p(M_2)への等距離作用素とする。Tが*-保存かつ全射ならば,M_1からM_2へのJordan*-同型Jが存在する事が,平成4年度の研究までに示されていた。Jの拡張と,stateの変更に関連した自然な*-同型の合成は,L^p(M_1)からL^p(M_2)への標準的な等距離作用素となるが,はじめのTとの関係は不明なままであった。
報告者は,もしTが正値的ならば,M_1,M_2の前双対空間の間に確率測度に類似した写像を引き起こす事に注意し,von Neumann環の射影束上の確率測度に関して知られていた定理を応用して,上記の写像が加法的である事を示し,最後にTは標準的な等距離作用素そのものである事を証明した。
このことは,数列空間l^p上の全射等距離作用素が,列の並べかえと絶対値1のスカラー列倍の合成に限るという有名なBanachの定理を,von Neumann環の文脈で完全に一般化する問題の,おそらくは最も本質的な部分の解決である。
残された部分は,Tの正値性,全射性,von Neumann環のσ-有限性の仮定を取り除く事である。
非可換積分論と対称ノルム両側加群の研究
研究課題/領域番号:04740070
1992年
制度名:科学研究費助成事業
研究種目:奨励研究(A)
提供機関:日本学術振興会
渡邉 恵一
配分額:1000000円 ( 直接経費:1000000円 )
微分可能多様体上の幾何学
研究課題/領域番号:01540024
1989年
制度名:科学研究費助成事業
研究種目:一般研究(C)
提供機関:日本学術振興会
関川 浩永, 渡辺 恵一, 渡辺 誠治, 斉藤 吉助, 田中 謙輔, 渡部 剛
配分額:2100000円 ( 直接経費:2100000円 )
今年度、主として次の5つの主題について研究した。
(1)コンパクト、アインシュタイン概ケ-ラ-多様体の積分可能性に関するGoldbergの予想、および定正則断面曲率をもったコンパクト、エルミ-ト曲面の分類について。
(2)ある幾何学的条件を満たす局所側地対称変換を許容するリ-マン多様体の構造を調べること。
(3)aspherical多様体のト-ラス作用について調べること。
(4)情報幾何学における最適化問題の研究。
(5)非可換微分幾何学における作用素環論的基礎づけに関する研究
(1)Goldbergの予想については、スカラ-曲率が非負の場合には、肯定的てであることを示しているが、4次元の場合は、アインシュタインかつK-アインシュタインであるという仮定の下で、スカラ-曲率に関する制限を除けることを示している。エルミ-ト接続に関して定正則断面曲率をもったコンパクトエルミ-ト多様体の構造(例えば、その多重種数等)についてはA.Balas、P.Gauduchon等の研究があるが、対応する研究をリ-マン接続に関して定正則断面曲率をもったエルミ-ト曲面に対して行ない、例えば、非正定正則断面曲率をもったコンパクトエルミ-ト曲面はケ-ラ-曲面となることを示している。(2)については、あるsymmetryテンソルによって定義される局所側地対称変換が調和写像となるようなリ-マン多様体は局所S-regular多様体となることを示している。(3)については4次元aspherical多様体でS^1上のファイバ-空間となるものの極大ト-ラス作用について考えている。(4)についてはあるダイナミック・ゲ-ムにおけるある最適化問題について、また(5)に関しては、非可換L^P-空間や、Toeplitz作用素の性質について、いくつかの結果を得ている。
structure theory of bounded linear operators on Hilbert spaces
資金種別:競争的資金
Hilbert 空間上の有界線型作用素の構造理論
資金種別:競争的資金
数理解析特別講義
理学基礎演習
安全教育
数学基礎A1
数学基礎A2
自然科学総論I
理学スタディ・スキルズ
先端科学技術総論
実解析学B
実解析学A
総合力アクティブ・ラーニング
微分積分学IA
関数解析学A
関数解析学B
微分積分学IB
数学基礎A1
理学スタディ・スキルズ
数学基礎A2
数学基礎演習b
数学基礎演習a
数学演習A
数学演習B
作用素環論
関数解析特論
関数解析学
数理科学文献詳読Ⅱ(数学)
数理物質科学特定研究Ⅱ(数学)
数理科学セミナーⅡ(数学)
数理科学セミナーⅠ(数学)
基礎ゼミIII
数理科学文献詳読Ⅰ(数学)
数理科学研究発表演習〔中間発表〕(数学)
数理物質科学特定研究Ⅰ(数学)
数理基礎演習I
数理基礎演習II
情報基礎数学II
安全教育
くらしと数理
基礎ゼミVIII
基礎数学A I
微分積分学I
基礎数学演習I
基礎ゼミV
数学の世界
基礎ゼミII
数学講究
数学基礎A
作用素論
基礎数学A II
作用素構造特論
微分積分学II
基礎数学演習II
スタディ・スキルズ(数学学習法)
微分積分学III
教員免許状更新講習担当
2013年8月
教員免許状更新講習担当
2011年7月